神戸大学「Slackを活用した学生協働」

 神戸大学附属図書館の情報サービス課笠原課長補佐、そして、学生協働の現在・過去の担当者である、有馬さん、小山内さん、森藤さんに、「Slackを活用した学生協働」についてお話を伺いました。

インタビューにお答えいただいた皆様

インタビューにお答えいただいた皆様

 

Q. 神戸大学附属図書館の学生サポーターチーム「ULiCS(うりくす)」※1は、主にどのような活動を行っていますか。

笠原: ULiCSメンバーと職員による定例会があり、以前は毎月でしたが、今は毎月には行えておらず、昨年は年3回の開催でした。また、読書会というのがあり、メンバーが主体ですが誰でも参加可能で、時間もその都度決まります。本は参加者が持ち寄ります。また、団体誌の発行を行っていて、もともとは季刊誌でしたが、今はおおむね年2回、随時の発行となっています。
その他には、その都度どういうイベントをしたいというのを考えてもらって、企画書を書いてもらいます。これまでには、ビブリオバトル、図書館クイズツアーといったものがありました。また、総合・国際文化学図書館での「ULiCS文庫」と題したテーマ展示は、館内の展示コーナーにメンバーのおすすめ本を展示する企画で、今も熱心に取り組んでいます。

「ビブリオバトル(2019年)」

ビブリオバトル(2019年)

※1 神戸大学附属図書館の学生サポーターチーム「ULiCS(うりくす)」(https://lib.kobe-u.ac.jp/about/ulics/

 

Q. 学生サポーターの活動の中で、Slackをどのように活用していますか。

笠原: 定例会などのスケジュールの調整がメインで、職員から投げかけてメンバー同士で調整してもらいます。また、対面で集まるのが難しいので、意見交換の場としても利用しています。

有馬: 以前は、メンバー間の交流を目的に、専用のチャンネルを作って、メンバー同士で本に限らないおすすめコンテンツの紹介なども行っていました。

 

Q. ツールとしてSlackを採用した理由やきっかけがあれば教えてください。

有馬: ULiCSが2015年秋にスタートして、当初はメーリングリストを使用していたのですが、職員のWG※2でSlackを使っていたので、メンバーに提案してみて、2016年度より使用を始めました。
採用した理由として、当時はツールの選択肢が今ほど多くなかったことや、もっともメジャーなチャットツールであるLINEより業務として使いやすかったことが挙げられます。

森藤: それに加え、最近の学生は忙しいので、チャットで気軽にやり取りできたり、さまざまなイベントを同時並行でチャンネルごとに分けて見られたりするというのがありました。

小山内: スタンプでリアクションが取れたり、投票などがスタンプでできたりするのも便利だったと思います。

笠原: メールでやり取りすると、履歴が積み重なって過去の情報を探すのが大変ですが、Slackはそのあたりが見やすく、また当時は履歴がずっと残っていて※3便利でしたし。比較的安全かなというところも良かったと思います。

有馬: 当時はWGでも新しいことをやろうという空気があり、たまたまアメリカの大学図書館職員の方が本学に見学に来られた際にSlackのことを聞いて、使ってみようということになりました。特に手続きなどはなく、館公式というわけではありませんでした。

※2 WG…神戸大学附属図書館内での、課や係とは別に設けられた横断的組織。活動テーマごとに10前後のグループがあり、中には複数参加する職員もいる。
※3 Slackの履歴…Slackは2022年9月から、フリープラン(無料)の場合、参照できる履歴が過去90日までに制限されるようになった。

 

Q. これまでSlackを利用している中で、何か課題はありましたか。

笠原: 全員が読んでいるかどうかの確認ができないというのが、最も悩ましい点でした。

有馬: 読んでいる人からしか反応がなく、反応してくれるメンバーも、一部に限られてしまうことが多かったです。全員が発言する機会を作りたいと思っていますが、どうすればよいかまだ答えが出ていません。

森藤: また、正式に導入しているわけではないので、費用を発生させられませんが、無料版だと履歴が90日以上さかのぼれなくなったのも困りました。職員はバックアップを取っていますが、学生メンバーが見られないことに変わりはありません。

笠原: 全学的な方針として、職員はTeamsを使うようになったので、そちらで代用できるものは移して行く必要があるだろうとは考えています。

 

Q. 学生サポーターの活動でSlackを活用した経験は、図書館の他の業務に何か影響がありましたか。

有馬: ULiCSのお世話を担当しているアウトリーチWG※4に限って言えば、もともと使っていたので特に影響はないと思います。

小山内: Slackでチャット形式に慣れていたのでTeamsが導入された際、使用に抵抗がなかったということはあるかもしれません。

笠原: アウトリーチWGで使い始めて、他の職員の意見交換にも使用されるようになったこともあります。

※4 アウトリーチWG…WGの1つで、広報、図書館活用の企画、ウェブサイトなどを担当。2025年度メンバーは8名。

 

Q. 今後の学生サポーターの活動や、Slackの活用について、現時点での展望をお聞かせください。

有馬: Slackにも先ほど述べたようなデメリットがあるので、職員は大学オフィシャルなツールであるTeamsへの移行も可能性として検討する必要があると思います。

小山内: Slack上では発言者が固定されてしまい、こちらから他の人を指名してもなかなか発言してくれないという問題もあり、ツールの活用方法については今後も検討が必要です。

森藤: メンバー間でのやり取りをもっと活発にできるようにできればと思います。

笠原: 全体的にULiCSの活動頻度が減ってきている印象があるため、活性化のための方策として、メンバー間での、職員を介さないやり取りを増やしていきたいと思っています。また、オンラインだけでなく、対面で会って話す機会を増やしていきたいとも考えています。
図書館としては、「学生サポーター」として図書館をよりよくするための活動に参加したい方を募集しているつもりなのですが、学生さんは「図書(本・読書)が好き」というモチベーションで参加して来る方も多く、双方のすり合わせが難しいと感じています。たとえば、読書会や図書展示といった活動は熱心にやってくれていますが、ULiCSメンバー以外の他の学生さんたちにも活動を広めよう、という意識は少ないように見受けられます。
今の学生さんは忙しいので、時間を割いて積極的に活動してもらうのは難しい面もあると思います。ただ、図書館としては、学生さんにもっと図書館を活用してもらうために学生さんの視点を取り入れたいと考えていますので、これからもお互いにとってよりよい学生協働の形を模索していきたいと考えています。

「学生協働シンポジウム(2018年)でのポスター発表の様子」 「発表したポスター」
学生協働シンポジウム(2018年)でのポスター発表の様子 発表したポスター

 


神戸大学附属図書館学生サポーターチームULiCS に関する連絡先:
神戸大学附属図書館 図書館アウトリーチWG
libr-outreach@office.kobe-u.ac.jp
(@を半角にして送信してください)
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「ビジョン2025重点領域2企画」担当者チーム
東京海洋大学総務部学術情報課 岩井 雅史(取材・文責)
取材日:2025年10月3日(金)