このQ&Aは,国立大学附属図書館から国立大学図書館協議会「国立大学法人化後の各大学に共通する課題解決プロジェクト・チーム」(以下,課題PT)に寄せられた法人化後のILL業務に関する質問とその質問に対する回答を課題PTが取りまとめ,国立大学附属図書館向けに公開するものです(2003年11月10日現在)。
回答欄に「回答 NII~」と記載されているものは,国立情報学研究所(NII)のILL文献複写料金等相殺サービス Q & A の項番を示しています。回答欄の青字部分をクリックするとNIIのHPの回答本文をみることができます。
- ILL文献複写料金相殺サービスについて
- 加入について
- 加入単位
- 加入時期
- その他
- 運営費,手数料について
- 負担単位
- 徴収方法等
- 手数料
- 料金相殺処理について
- 回数
- 対象データの判別
- 第4四半期の処理
- その他
- 相殺結果通知書について
- 内訳書
- 月次データについて
- 形式
- 内容
- 抽出
- その他
- 経費区分(=支払区分),予算科目について
- 定義
- 経費区分(=支払区分)
- 予算科目
- 加入機関の状況確認
- 加入の把握
- 単価の把握
- その他
- 加入について
- 単価設定等について
- その他
Ⅰ.ILL文献複写料金相殺サービスについて
1)加入単位
Q1.1 加入機関単位は図書館単位か機関単位ですか。
Q1.2 参加組織単位(部局・分館単位)での加入は可能ですか。
回答 NII 2.1
Q1.3 参加組織ごとに加入申請は必要ですか。(特に国立大学の場合,図書館コードが付 与されている図書館・室毎に申請が必要ですか)
回答 NII 2.3
Q1.4 図書館の種類によって加入できないことはありますか。
回答 NII 2.8
2)加入時期
Q1.5 加入の申込みは16年1月からとのことですが,4月1日付けの国立大学法人の名前で契約を締結すると考えてよいのですか。
回答 NII 2.6
Q1.6 申し込み開始は1月からとなっているが,予め学内の規程類を整備しなければ申請できませんか。
回答 NII 2.12
Q1.7 月の途中からILL料金相殺サービスへ加入できますか。
回答 NII 2.7
3)その他
Q1.8 ILL料金相殺サービスに加入した場合,文献複写と現物貸借の両方を相殺対象にしなければならないのでしょうか。片方だけという選択は可能ですか。
回答 NII 2.5
Q1.9 NIIによって相殺サービスに加入が認められた機関について,各大学の判断で後納又は徴収猶予を認めないということがあり得るのでしょうか。
回答 NII 2.13
1)負担単位
Q2.1 運営費は加入した組織単位で負担するのですか。
回答 NII 2.2
2)徴収方法等
Q2.2 ILL料金相殺サービスは平成16年4月1日から開始ですが,運営費の徴収は7月初旬で問題はないのでしょうか。
回答 NII 3.15
Q2.3 運営費は文献複写等の料金と合わせて相殺されるそうですが,内部の予算項目が別なので,相殺せずに別に請求してもらえないでしょうか。
回答 NII 3.3
3) 手数料
Q2.4 NIIから債権機関への振込及び債務機関のNIIへの振込についてどのような割り振りで手数料を割るのでしょうか。
回答 NII 3.16
Q2.5 複数の取引銀行を予定していますか。
回答 NII3.7
1)回数
Q3.1 相殺処理を年4回とした根拠はありますか。
回答 NII3.12
2)対象データの判別
Q3.2 相殺処理の対象期間,当該月は何を基準に集計されるのでしょうか。
Q3.3 取引の完了とは,どの時点でしょうか。
Q3.4 ILLシステムの状態表示には「取引完了」というのは無いですが,新たにそのようなものを作るのでしょうか。
Q3.5 現物貸借において取引完了とは,現物の返送~受領のどの時点を指すのでしょうか。
回答 NII3.9
3)第4四半期の処理
Q3.6 第4四半期の相殺処理は期をまたぐこととなるが,予算の執行の関係上,3月末までに支払いを完了する必要があります。第4四半期の請求と支払いは,3月中に行うことは可能ですか。
回答 NII3.4
Q3.7 各館が第4四半期に3月までの債権・債務を翌年に繰り越す時には,残高確認書が要るとの指摘がありました。決算時に債権・債務についての「残高確認書」をNIIに送付した場合,対応は可能ですか。
回答 NII3.5
Q3.8 平成16年3月に依頼又は受付し法人となる翌4月に確認や返却確認となる場合は,法人化後第1四半期の相殺期間の4月分とすればよいのでしょうか。
回答 NII3.10
4)その他
Q3.9 受付大学に納付すべき複写料金を,依頼大学が徴収し,一時預かることができる根拠はあるのでしょうか。
回答 NII 3.17
Q3.10 月次の電算処理が事故で遅延した場合,債権の譲渡手続きはどのように処理されるのでしょう。
回答 NII 3.18
Q3.11 相殺処理の結果債権機関となっても,相殺金額が振込手数料以下となる可能性があります。この場合,その差額分を振り込むことになってしまいますが,どのように取り扱われるのでしょうか。
回答 NII3.8
Q3.12『概要』には,「債務機関の未払いが確定した場合又はその恐れが判明した場合,当該機関は債権を受け戻す義務を負い」とありますが,未払いの確定及び判明はどのような時なのでしょうか。債権返還はレアケースと解して良いのでしょうか。
回答 NII3.13
Q3.13『ILL文献複写等料金相殺サービスの概要』には,「加入機関は当該債権を受け戻す」とありますが,この場合の「加入機関」とは未払いの確定した機関に対する債権を持っていた加入機関のことでしょうか。 また「当該債権を受け戻す」についてですが,債権の全額を受け戻すこととするのでしょうか。また, 未払いを起こした加入機関に対して債務を負っていた加入機関は,NIIに譲渡された当該債権について,納期内に債務を履行していることが考えられますが,この債務はどのような取扱いになりますか。
回答 NII3.14
1)内訳書
Q4.1 「ILL文献複写料金相殺サービス料金相殺結果通知書」のみで請求書は発行されないのでしょか。
回答 NII4.2
Q4.2 「ILL文献複写料金相殺サービス料金相殺結果通知書」には内訳書は付かないのでしょうか。
回答 NII4.3
Q4.3 「ILL文献複写料金相殺サービス料金相殺結果通知書」には公印が無いようですが,公印の押印は可能でしょうか。
回答 NII4.1
Q4.4 「ILL文献複写料金相殺サービス料金相殺結果通知書」には,加入機関ごとの相殺結果は付かないのでしょうか。
回答 NII4.4
1)形式
Q5.1 1ヶ月毎のNIIからの利用明細データはどのような形式でもらえるのでしょうか。
回答 NII 5.8
2)内容
Q5.2 データのフォーマット,ファイル形式,仕様書はいただけるのか教えてください。またテストデータの提供はいつされるのでしょうか。
Q5.3 NIIから提供されるデータの仕様は公開されるのでしょうか。またテストデータは提供されるのでしょうか。
回答 NII5. 2
Q5.4 法人化対応の帳簿作成については,NIIシステムから必要データをダウンロードして利用が可能なようにしてもらえないでしょうか。
回答 NII5.3
(補足)各機関によって会計処理が異なります。各機関で対応して下さい。
Q5.5 データに依頼ナンバー,受付ナンバーが提供されないのでしょうか。
Q5.6 ダウンロードできる取引データに,受付館,依頼館それぞれについて,どの大学(機関)に属するか識別するためのデータがありますか。
Q5.7 NIIから提供される利用明細データの中に,消費税,依頼番号,受付番号は入らないのでしょうか。
回答 NII 5.8
Q5.8 NIIから提供されるデータを財務会計システムを作っているメーカーの仕様に合わせてもらえないでしょうか。
回答 NII 5.9
Q5.9 一つの機構を形成することになった場合,NIIから提供されるCSV形式の利用明細データは,各利用機関ごとではなく,一機構として一括でしか見ることはできないのでしょうか。
回答 NII 5.10
Q5.10 ダウンロードのデータは参加単位ごとになるのでしょうか。
回答 NII5.3
3)抽出
Q5.11 ダウンロードデータは,任意の条件で抽出条件できるのでしょうか。
回答 NII5.3
Q5.12 ILL料金相殺サービス対象外の図書館のデータもダウンロードできるのですか。
回答 NII5.4
4)その他
Q5.13 データ集計締め切り後,金額修正はどのように行うのでしょうか。
回答 NII5.5
* 地区説明会で,「経費区分」,「支払区分」,「予算科目」について一部誤解を招くような表現があったことをお詫びします。
1)定義
Q6.1 「予算科目」と「経費区分」との関係がよくわかりません。
回答 予算科目とは会計処理上必要な予算関係のコード類を総称したものです。具体的には財源(運営費交付金等・自己収入など)・目的(教育経費・研究経費・教育研究支援経費・一般管理費など)・勘定科目等を総称したものです。「ILL文献複写等料金サービスにおける各機関の会計処理(案)」では, このうち勘定科目を除いたものを予算科目として記載されています。予算科目は各国立大学法人がそれぞれ独自で設定します。そのためこれまでとは異なり国立大学法人間で共通の内容にはなりません。法人化後は予算科目毎に仕分けする事が求められます。したがってILL業務でどのような予算科目を使用するか学内で定めておく必要があります。
2)経費区分(=支払区分)
Q6.2 大学毎に5つの経費区分を設定する予定とのことだが,どのような経費区分を設定するのでしょうか。また5つ以上の設定は可能ですか。
回答 NII5.1
(補足) 経費区分とは「支払区分」のことです。これまで「公費」「私費」「研究所」「病院」「産学連携」という区分がありましたが,これが全国統一でなくなります。「公費」「私費」以外は各機関の財務会計システムに合わせて設定できるようになりますので, 経理部等と相談して下さい。また5つ以上の設定はできません。
Q6.3 経費区分を大学毎に5つ設定できるとあるが,これは図書館コード毎に,独自のコードを設定しても良いということでしょうか。また,設定したいコードは加入申請時に申し出るのでしょうか。
回答 NII2.11 NII5.1
(補足)私費,公費区分以外は独自で設定できます。各機関が設定するコードについては申請する必要はありません。なお国立大学等図書館間文献複写業務で使用されていた図書館コードと経費区分での設定コードとは異なったものです。
3)予算科目
Q6.4 NIIからダウンロ-ドしたデータに予算科目を入力することは,可能ですか。
回答 NII5.6
Q6.5 予算科目はどのフィールドに入力したらよいか。
回答 NII5.7
1) 加入の把握
Q7.1 ILL料金相殺サービスへの加入状況はどのように識別できるのでしょうか。 また加入機関をホームページなどで一覧することはできますか。
回答 NII2.9
2)単価の把握
Q7.2 Webcatを使って利用者が依頼先の図書館を特定できるように,ILL料金サービスの参加状況,複写料金を確認できるようにして欲しいのですが。
Q7.3 ILLシステムで複写依頼の際に料金単価により依頼先を絞り込むための各館の単価設定の専用欄を新たに設けることはできないでしょうか。
Q7.4 料金は各機関で異なるので,依頼時に料金が判るように表示されると考えてよいでしょうか。
回答 NII2.10
Q8.1 複写料金に消費税が係るとのことですが,消費税の欄は設けられないのでしょうか。
回答 NII2.10
Q8.2 サービス不参加館における受付時の入金済み(入金日等)の項目,依頼時の支払済み(支払日等)の項目が,ILLシステムのデータ項目に追加される必要があるのではないでしょうか。
回答 NII 5.11
Ⅱ.単価設定等について
QⅡ.1 複写料金の設定は,一加入機関の中で統一料金でなければならないでしょうか。
回答 一加入機関内で複数の料金設定は可能です。
QⅡ.2 複写料金(特に単価)が機関毎,本館/分館で異なる料金を設定する事ができるのでしょうか。
回答 料金設定は各機関が独自で判断する事になります。今後は各機関の運用体制や資料の特性等に合わせて設定する事は可能です。検討する際には学内の経理部等や監査法人とよく相談して下さい。
QⅡ.3 現物貸借の経費を設定するにあたって,封筒代,人件費や手数料を徴収するのは可能でしょうか。
回答 人件費や手数料等を経費に載せるのは各機関で判断する事になります。
QⅡ.4 相殺貸借で返却する場合の送料については,各々の館で処理を考えるという事でよいでしょうか。
>回答 返却時の送料の扱いは,各機関で判断する事になります。
QⅡ.5 現物貸借の料金設定についての参考資料を教えてほしいのですが。
回答 料金設定の参考資料はありません。
*地区説明会の配付資料で,消費税について一部誤解を招くような表現があったことをお詫びします。
*消費税の扱いについてはwww.taxanser.nta.go.jp/6371.htm(国税庁HP)及び「国立大学法人会計基準」,「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針報告書等を参考にして下さい。
QⅡ.6 「ILL文献複写料金サービス料金相殺結果通知書」では複写料と送料が合算された合計金額のみが出力されるようですが,合計金額を課税対象とすると送料分の消費税を二重に支払うおそれがあり,複写料と送料の内訳を区別して出力できないのでしょうか。
回答 送料(切手)には税が含まれており,複写料として消費税を含んだ金額とすれば,合計金額に改めて消費税を加算する必要はありません。
QⅡ.7 複写料とは別に手数料等を徴収するとした場合で,複写単価に消費税が加算されている(内税)場合,手数料等に対する消費税の扱いはどうするのでしょうか。
回答 消費税に関しては国税庁の方針に従って対応して下さい。
QⅡ.8 消費税の端数処理は四捨五入でしょうか?
回答 消費税に関しては国税庁の方針に従って対応して下さい。
QⅡ.9 消費税の扱いについて参考にするため,私大等で消費税を徴収している機関を知りたいのですが。
回答 把握していません。
QⅡ.10 料金設定の中で,消費税の扱い方等についてはどのように考えればよいでしょうか。
回答 内税です。「国立大学法人会計基準」,「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針報告書 Q and A 76-4~5を参考にして下さい。
QⅡ.11 平成16年4月から消費税が総額表示となる場合,複写単価として消費税を加えたものとし, 依頼毎にまとめた金額に対して消費税を計算することはないのでしょうか。
回答 計算する必要はありません。経理部等,監査法人とご相談下さい。
QⅡ.12 文献複写料金の消費税を徴収するかどうか各大学等で異なる取扱となると,会計処理が複雑となるので,プロジェクト・チームとNIIで国税庁と交渉の上,課税するか非課税とするか取扱の統一見解をだしてもらえないでしょうか。
回答 消費税が導入された時点で文献複写収入の歳入科目刊行物売り払い代は課税対象と区分されています。各大学等においては毎年,「消費税に係る報告書の提出について」(会計課長通知文会総第173号 平成2年4月27日)にもとづき報告書の作成がおこなわれており,刊行物売り払い代も対象として計上されています。経理部等にお問い合わせ下さい。
Ⅲ.その他
QⅢ.1 現行の国立大学の相殺システムは,いつまで利用できるのでしょうか。
回答 NII 6.1
QⅢ.2 NII相殺システムの範囲以外の依頼館への請求書上の宛名についてどのようにおこなうのでしょうか。
回答 NII相殺システム以外の請求書上の宛名については,各機関で検討すべきことです。経理部等及び監査法人と相談して機関の方針として決定してください。
QⅢ.3 「郵送料」について,複数の「申込者」の「複写物」をまとめて送付する場合,1人にまとめて「課金」するのではなく,各々の「複写物の枚数」により均等に按分して「課金」することが望ましいと考えられますが。
回答 受付館の処理方法によります。送料の課金については相手館にご相談下さい。
QⅢ.4 「文献複写料金徴収猶予電子的申請・許可システム」のような仕組みを残すことは出来ないでしょうか。
回答 NII 6.2
QⅢ.5 ILL料金相殺サービスに参加しない機関へのILL対応は今後どうなるのでしょうか。
回答 法人化後の各機関の判断によりますが,前納や新たな徴収猶予制度などの検討が必要です。是非,新ILL料金相殺サービスへの参加を要望します。
QⅢ.6 法人化することで著作権料の請求をされる等,著作権をめぐる諸問題上で従来のやり方から変わることはあるのでしょうか。
回答 当面は変わらないと考えられます。
QⅢ.7 国立大学の複写料金体系が来年度から各館毎に異なるということを,私大向けの説明会等で事前に説明してもらえないでしょうか。急に変わったと思われるとトラブルのもとになるので。
回答 NIIは各地で説明会をおこなっています。
QⅢ.8 今後規程等の整備,経理部及び監査法人との打ち合わせにより,疑義が生じることと思われますが,随時質問等を受付ていただけるのでしょうか。
回答 平成16年6月までは課題解決プロジェクトチームで対応いたします。
連絡先: 課題解決PTメンバ- 名古屋大学附属図書館情報管理課 北村 明久
〒464-8601 名古屋市千種区不老町 ℡:052-789-3665 Fax:052-789-3693
E-mail:kitamura@nul.nagoya-u.ac.jp