平成28年度国立大学図書館協会シンポジウム「これからの大学図書館環境を考える」を開催しました

 平成28年度国立大学図書館協会シンポジウム「これからの大学図書館環境を考える」が、去る2月20日(月)に九州大学附属図書館伊都図書館(共催:九州大学附属図書館)、2月27日(月)に東京都内民間会議室の東西2会場で開催され、両会場合わせて49名が参加した。

 本シンポジウムは、今年度策定された「国立大学図書館協会ビジョン2020」を受けて、各大学のミッションや中期目標等に沿った教育・学習及び研究支援高度化アクションプランを参加館が立案・策定する契機となることを目指して開催された。そのため少人数のワークショップ形式とし、ブレインストーミング等を経て、最終的に自館アクションプランの素案策定に資する革新的アイディアを掘り起こすことを目標とした。

 今年度発足した国立大学図書館協会図書館環境高度化委員会の竹内比呂也委員長(千葉大学附属図書館長)の挨拶に続いて、竹内委員長と宇陀則彦委員(筑波大学准教授)によるアイスブレーキングトークで、図書館環境に係る先進的知見の共有や今後向かうであろう方向性が語られた。その後、同委員会メンバーが、6つに分かれた各参加者グループのファシリテーターとなってグループワークを行った。グループワークでは事前に課題が提示され、「国立大学図書館協会ビジョン2020」を読んだうえで、202X年に大学図書館不要論が表出した際にそれに対してプレゼンテーションを行う、という状況設定のもとにアイディアを持ち寄った。中間発表では竹内委員長・宇陀委員による忌憚のないコメントがあり、各グループは更にアイディアを練り上げ、または仕切り直して成果発表に臨んだ。

 成果発表では印象的フレーズを伴った個性あふれるアイディアが披露され、竹内委員長・宇陀委員のコメントの後、参加者及びファシリテーターが自分の所属以外で印象に残ったグループ発表について投票を行った。

 最後に西会場では木村優九州大学附属図書館事務部長、東会場では江川和子筑波大学学術情報部長から閉会の挨拶があった。終了後の会場では各グループの発表ボードを撮影・保存する姿が散見され、またアンケートでは「他大学とアイディアを共有する機会となり面白かった」「このようなシンポジウムでほぼ全てがグループワークというのは新鮮」といった感想があった。今後、本シンポジウム開催をきっかけとした、国立大学図書館における新たな「知の創出」が期待される。