保存図書館に関する調査研究報告書: 目次

　　　　　保存図書館に関する調査研究報告書

　　　　　　　　　　平成６年３月

　　　　　　　　国立大学図書館協議会

　　　　　　保存図書館に関する調査研究班

　　　　　　　　　　　　　まえがき

　国立大学図書館協議会は、平成４、５年度の２年度にわたって大学図書館における資料
の保存施設のあり方について多角的に調査研究を行うことを目的として、「保存図書館に
関する調査研究班」を設置した。本報告書は、調査研究班が２年間にわたって行った調査
研究の成果をまとめたものである。
　近年、大学図書館所蔵資料の増加、施設の狭隘や、資料の劣化等の問題がますます大き
くなり、資料保存の体制を再検討する必要性が高まっている。平成４年７月の学術審議会
の答申「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」においても、学術研究情
報流通体制の整備の中で、図書資科の効果的保存システムについで検討する必要があるこ
とが取り上げられるに至った。もとより、資料保存は、大学図書館の基本的な使命の一つ
である。個々の大学図書館においてもこれまで様々な努カが払われてきたが、個々の大学
図書館の個別の努カだけでは現実的に解決できない課題も多く含まれており、全国的な視
野にたった具体的な方策を探る必要があることはいうまでもない。本調査研究はこのよう
な背景のもとに実施されたものである。
　資料保存体制のあり方は、問題が複雑で、多岐にわたっているので、先ず、平成４年度
における調査研究は、現状と問題点の把握、及び全国的なレベルでの保存体制のあり方の
検討を中心として行った。また、平成５年度の全国的なレヘルでの考え方の検討において
は、より具体的な保存システム案を提示することが有益であるとされたことを踏まえ、保
存体制の一つの試案として共同保存図書館構想を作成した。
　第１年次の調査研究の結果は、平成５年６月に徳鳥市で開催された第40回国立大学図書
館協議会総会に中間報告として提出し、調査研究内容について広く意見を徴することとし
た。本報告書は、中間報告に対して寄せられた意見並ぴにその後の調査研究班ワーキング
・グループにおける様々な考えを人れて、さらに検討を加え最終報告としたものである。
　最後に、調査研究にあたっては全国立大学図書館にアンケート調査を行い、また協力館
を始めとする多くの大学から多大なご協カを得た。ここにその協力に対して深く感謝の意
を表したい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成６年３月
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　国立大学図書館協議会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　保存図書館に関する調査研究班

　　　　　　　　　　　　目　　　次

まえがき
目　次　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　ｉ

はじめに　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　１
第Ｉ章　本編　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　４
　第１節　学術情報システムの整備と資料保存　・・・・・・・・・・・・・・　　４
　第２節　資料の収集・保存の現状と課題　・・・・・・・・・・・・・・・・　　５
　　　１．国立大学における図書館資料収集・保存の概況　・・・・・・・・・　　５
　　　２．学内の収蔵施設の状況　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　５
　　　３．図書館資料の劣化と保存　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　６
　　　４．蔵書管理　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　７
　　　（１）資料利用の経年変化
　　　（２）資料の重複
　　　（３）管理換と廃棄
　　　５．分担収集・保存の状況と課題　・・・・・・・・・・・・・・・・・　　９
　　　（１）分担収集・保存の現状
　　　（２）外国雑誌センター館による分担収集・保存の状況
　第３節　資料保存システムの考え方　・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１０
　　　１．基本的な考え方　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１０
　　　（１）資料保存の一次的役割
　　　（２）不用資料、重複資料の集中保存
　　　（３）保存に関する意思決定と情報流通
　　　（４）学術情報システムのサプシステムとしての資料保存システム
　　　（５）資料保存システムの対象機関
　　　２．資料保存システムの機能と構成　・・・・・・・・・・・・・・・・　１２
　　　３．共同保存図書館　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１４
　　　４．各大学における一次保存機能の拡充　・・・・・・・・・・・・・・　１５

第Ⅱ章　構想編　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１７
　第１節　共同保存図書館の試案　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１７
　　　１．はじめに　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１７
　　　２．立地の条件　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１７
　　　３．施設の設置形態　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１７
　　　４．施設の規模と設備　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１９
　第２節　共同保存図書館の事業　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２１
　　　１．情報提供サーピス　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２１
　　　２．集中保存する資料の種類と形態　・・・・・・・・・・・・・・・・　２２
　第３節　共同保存図書館の運営　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２３
　　　１．運営の方法　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２３
　　　２．資料の集中保存の方法　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２４
　　　（１）移管による収集
　　　（２）寄託による収集
　　　（３）購入による収集と蔵書の構築
　　　（４）規程類の整備
　　　３．内外の関係組織との協力　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２６

第Ⅲ章　調査・分析編　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２７
　第１節　保存システムに関する内外の動向　・・・・・・・・・・・・・・・　２７
　　　１．国内の勤向　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　２７
　　　２．国外の勤向　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　３２
　第２節　大学図書館における資料保存に関する現状分析　・・・・・・・・・　３７
　　　１．分析の目的と方法　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　３７
　　　２．大学図書館実態調査結果報告による分析　・・・・・・・・・・・・　３７
　　　３．個別大学に対する調査の結果　・・・・・・・・・・・・・・・・・　４２
　　　４．保存図書舘に関するアンケート調査の結果　・・・・・・・・・・・　４８

資料編　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　６３
　１．各種資料・データ　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　６９
　２．参考文献　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　８９
　３．保存図書館に関する調査研究班の活動経過　・・・・・・・・・・・・・　９４
　４．保存図書館に関する調査研究班設置要項　・・・・・・・・・・・・・・　９６
　５．保存図書館に関する調査研究班ワーキング・グループ名簿　・・・・・・　９８