保存図書館に関する調査研究報告書: 第III章　調査・分析編第２節　４. 保存図書館に関するアンケート調査の結果

第４節　保存図書館に関するアンケート調査の結果

　調査を依頼した国立大学図書館協議会加盟の99機関からすべて回答があった。ただし、
奈良先端科学技術大学院大学では図書館が未完成であることから、アンケートの記入が不
可能ということで、集計データは98機関、173 館である。なお、調査票様式及び詳細な集
計結果は資料編に収録した。

　調査結果は次の区分に従い、図書館の規模、館種、沿革別に集計し、分析した。
　○規模別
　Ａ規模（８学部以上）　Ｂ規模（５学部以上）　Ｃ規模（２学部以上）　Ｄ規模（単科
　　大学）
　○館種別
　１「総合その他」　２「教育系」　３「医学系」　４「工学系」　５「農学系」
　○沿革別
　１「旧帝大」　２「旧六」大学と筑波大学　３「新八」大学　４「新教育大」
　５「新設医科大」　６「新構想」大学　７　その他

結果の概要
（１）施設の状況
　①書架収容率
　国立大学全体で蔵書数が収容可能冊数を 420万冊超過している。
　収容可能冊数に対する蔵書数の割合をみると、全体では、
　　　（58,668千冊÷54,471千冊）× 100＝１０８　となった。
　規模別では、
　　Ａ規模：１０４　Ｂ規模：１１５　Ｃ規模：１１６　Ｄ規模：９６
　館種別では、
　　総合その他：１１０　教育系：１０７　医学系：１００　工学系：１０６
　　農学系：９７
　沿革別では、
　　旧帝大：８６　旧六と筑波大：１０８　新八：１３４　新教育大：９２
　　新設医科：８４　新構想：８７　その他：１１５
　という結果である。
　規模別では、Ｄ規模以外のところで蔵書数が収容可能冊数を上回っている。
　館種別では、農学系が他に比べ、若干の余裕がある。
　沿革別では、他の区分に比較して書架収容率に顕著な差がみられた。新設大学にかなり
余裕がみられる。一方、Ａ規模、総合その他で既に書架が満杯であるのに対し、「旧帝大
」に余裕がみられるが、原因は不明である。
　②製本雑誌の割合
　書架の収容状況では、年間受入冊数に占める製本雑誌の割合が問題となる。製本雑誌は
普通の図書の２～３倍のスペースを占め、書架不足の大きな原因となっている。全体では
、製本雑誌が23％を占めている。特に医学系では60.6％を製本雑誌が占めており、「新設
医科」でも52.6％と高い比率を示している。
　③備品以外の資料
　備品以外の資料が棚板総延長に占める割合（備品以外の資料の棚板延長÷棚板総延長×
100）を算出し、その割合によって各館を５％未満、５％～10％未満、10％～20％未満、
20％以上の４グループに分け、書架の収容状況との関係をみたものが図19である。
　20％以上のグループでは、約65％の館が満杯状況または１～２年後には満杯状態になる
と回答している。なお、備品以外の資料とは受入れ図書館資料で登録番号を付与しないも
ので未製本雑誌、パンフレット等をいう。

　　　　　　　図19　収容状況と備品以外の資料の割合との関係

（２）書架の収容状況
　「概ねあと何年収容できるか」については、
　　　・既に満杯状態　　　49館(28.5%）
　　　・１～２年程度　　　39館(22.7%）
　　　・３～５年程度　　　57館(33.1%）
　　　・６年～　　　　　　27館(15.7%）
　という結果である。 51.2 ％の図書館が１～２年後には満杯状態になるとしている。ま
た、既に満杯状態の図書館を規模別にみると、以下のとおりである。
　Ａ規模：31.4％　Ｂ規模：30.3％　Ｃ規模：23.8％　Ｄ規模：28.3％
　館種別では、教育系が36％、沿革別では、「旧六と筑波大」が30％、「新八」が
33.3％、この他「新構想」が33.3％と高い比率となっている。
　図20は、各館を収容可能冊数によって、10万冊未満、10万冊～17万冊未満、17万冊～30
万冊未満、30万冊～60万冊未満、60万冊以上の５グループに分け、収容状況との関係をみ
たものである。小規模の館ほど狭隘化が進んでいる。

　　　　　　　図20　収容状況（収容可能冊数の規模別）

（３）図書館資料を収容するための対応
　①「どのような施設上の対応を行ったか」
　　　・新・増築を行った（過去10年間）54館(25.5%）
　　　・書架を増設（過去５年間）　　　98館(46.2%）
　　　・学内の他施設を利用　　　　　　23館(10.9%）
　　　・特に措置せず　　　　　　　　　20館( 9.4%）
　　　・その他　　　　　　　　　　　　17館( 8.0%）
　この回答では「書架を増設した」というのが規模・館種・沿革を問わず上位を占めてい
る。また、「その他」にも「書架を設置した」と「書架増設予定」がそれぞれ３館づつあ
り、これらを含めると50％を越すこととなる。書架増設は収容力増強には手軽に行える対
応であるが、一方で他のスペースを圧迫していることもある。「新・増築を行った」とい
う回答は全体で25.5％なのに対し、沿革別の「旧帝大」では、40.7％と高い割合となって
いる。
　②「書架スペース確保の方法」
　　　・書庫や閲覧室の壁面等を利用した　　70館(47.3%）
　　　・閲覧席を撤去した　　　　　　　　　28館(18.9%）
　　　・書架間隔を狭めた　　　　　　　　　16館(10.8%）
　　　・セミナー室等を転用した　　　　　　12館( 8.1%）
　　　・その他　　　　　　　　　　　　　　22館(14.9%）
　「その他」の中に「踊り場や廊下の壁面に書架を設置した」という回答が５館あり、半
分以上の館で空きスペースを利用して書架を組み立てている。また、「閲覧席を撤去」と
いうのが約20％、「セミナー室等の転用」が10％近くあり、サービススペースに書架を設
置するという方法で、非常事態を切り抜けている大学図書館の厳しい状況がみられる。
　また、「その他」で目立ったのは、固定式書架を撤去して集密書架を入れた館が７館あ
ったことである。

（４）図書館施設の新・増築計画
　①計画の有無
　　　・計画がある　　　　　　　49館(29.0%）
　　　・検討中である　　　　　　40館(23.7%）
　　　・計画なし　　　　　　　　64館(37.9%）
　　　・その他　　　　　　　　　16館( 9.5%）
　館種別でみると「計画がある」の割合は農学系が７館（50%)と多く、沿革別では、「旧
六と筑波」の８館（40%)と「新八」の９館(39.1%）が高くなっている。
　②新・増築の主たる目的
　　　・書架スペース　　　　　　20館(38.5%）
　　　・全体の整備・拡充　　　　31館(59.6%）
　　　・その他　　　　　　　　　 1館( 1.9%）
　増築の目的が、書架スペースの確保より、全体の整備・拡充を主たる目的に計画してい
るとの回答が多い。

（５）集密書架の設置状況
　①設置状況
　　　・設置している　　　　　 114館(66.3%）
　　　・設置していない　　　　　58館(33.7%）
　スペースを有効に利用する手段として集密書架が考えられる。全体の66.3％が大なり小
なり集密書架を設置している。そのうち開架閲覧室に設置している館は34館（29.8%)であ
る。
　②今後の設置計画
　　　・計画がある　　　　　　　47館(28.3%）
　　　・計画がない　　　　　　 119館(71.7%）
　③集密書架の規模
　　　・設置面積　　　合計　41,757㎡
　　　　　　　　　　　平均　　 376㎡
　集密書架を設置している館の設置面積の平均は１館あたり 376㎡である。また、書庫面
積に対する集密書架スペースの比率をみると、全体の平均で30.5％であり、規模別では、
Ａ規模が32.7％、Ｂ規模18.9％、Ｃ規模33.2％、Ｄ規模37.9％である（いずれも書庫面積
には集密書架を設置していない館を含む。
　集密書架の収容可能冊数がその館全体の収容可能冊数に占める割合（集密書架設置率）
を算出し、50％以上、50％未満～30％以上、30％未満～10％以上、10％未満の４グループ
に分け、収容状況との関係をみた（図21）。満杯状態または１～２年後には満杯状態にな
ると回答している割合は、集密書架設置率が低いグループほど多いことがわかる。

　　　　　　　図21　収容状況と修密書架設置状況との関係

（６）重複図書館資料及び利用頻度の低下した図書館資料の主要スペース
　①収容スペースをどのように措置したか
　　　・館外に確保　　　　　　　　　　　16館( 9.0%）
　　　・館内に専用コーナーを設置　　　　77館(43.3%）
　　　・措置せず　　　　　　　　　　　　60館(33.7%）
　　　・その他　　　　　　　　　　　　　25館(14.0%）
　「その他」で「専用スペースを設けている」が６館あり、「コーナー」と「スペース」
を区別して回答している。また、「段ボール詰めにして積み上げている」が８館あり、こ
れらを加えると51％の館で何らかの専用コーナーを設けていることになる。
　一方では、何の措置もしていない館が33.7％（約３分の１）ある。
　②館外への別置規模
　「別置する施設を持っている」は16館（9.0%）で収容可能冊数は約 110万冊であった。
　③近い将来の資料収容スペース確保の見通し
　「ない」と回答した館が83.5％であり、「ある」と回答した館の16.5％に比べ圧倒的に
多い。この割合はどの区分でも同じ傾向がみられた。ただ、規模別では、Ａ規模が29.2％
と比較的多くの館が「ある」と回答している。

（７）書庫及び書架スペースの確保を目的とした図書館資料のマイクロ化
　「マイクロ化を行っている」館は９館（5.3 ％）である。
　マイクロ化は「スペース確保のために行っているのではない」というコメントを付して
回答した館もあったが、マイクロ化の第一の目的は資料の保存対策であり、該当する館が
非常に少ない結果となった。マイクロ化の対象資料は、新聞（５館）、図書（２館）、雑
誌（１館）、その他；修士論文、沖縄関係文献資料等（２館）であった。

（８）図書館資料の廃棄について
　①最近５年間の廃棄の実績
　　　　・廃棄に実績がある　　　　　　44館（25.6％）
　　　　・廃棄の実績がない　　　　　 128館（74.4％）
　５年間に廃棄を行った館は５年間で全体の４分の１である。館種別では、農学系が50％
と高い割合を示している。廃棄の実績のある館のうち定期的に行っているのは４館のみで
あり、残りの40館は不定期に行っている。
　②廃棄した冊数
　　　　・廃棄した図書の合計　　　　　　29,141冊
　　　　　　　　　　　　　　１館平均　　 1,457冊
　　　　・廃棄した雑誌の合計　　　　　　27,404冊
　　　　　　　　　　　　　　１館平均　　 1,245冊
　これを全大学で平均すれば、図書が１大学あたり５年間で297 冊、雑誌が１大学あたり
280 冊と僅かである。
　図書を廃棄した館について館種別にみると、農学系が1,830 と平均を上回る。また、雑
誌の廃棄では、医学系が2,512 冊と多く、規模別ではＣ規模が2,099 冊である。
　③廃棄した図書の種類
　　　・研究用図書　　　　　　　　　　　　　８館
　　　・学習参考図書　　　　　　　　　　　　５館
　　　・レファレンスブック　　　　　　　　　５館
　　　・指定図書　　　　　　　　　　　　　　３館
　　　・一般図書　　　　　　　　　　　　　　３館
　　　・教科書・指導書　　　　　　　　　　　２館
　　　・教養図書、児童図書、学生用図書　　各１館
　④廃棄した雑誌の種類
　　　・一般・教養雑誌　　　　　　　　　　１５館
　　　・学術雑誌　　　　　　　　　　　　　１４館
　　　・学協会雑誌　　　　　　　　　　　　　８館
　　　・大学紀要　　　　　　　　　　　　　　６館
　　　・広報誌　　　　　　　　　　　　　　　６館
　　　・官庁刊行誌　　　　　　　　　　　　　２館
　　　・特許資料、新聞縮刷版　　　　　　　各１館
　⑤廃棄が困難な理由
　　　・不用や廃棄の合意が得られ難い　　　　92館（29.9％）
　　　・手続きが煩雑である　　　　　　　　　75館（24.4％）
　　　・人手が足りない　　　　　　　　　　　56館（18.2％）
　　　・規程類がない　　　　　　　　　　　　54館（17.5％）
　　　・他大学で保存されている保証がない　　21館（ 6.8％）
　　　・その他　　　　　　　　　　　　　　　10館（ 3.2％）
　その他の中には、「規程」に関する回答が２館、「廃棄は考えていない。廃棄すべき資
料がない」の１館の計３館であった。
　⑥資料の廃棄に関する整備状況
　　　・制定済である　　　　　　　　　　　　77館（46.4％）
　　　・制定していない　　　　　　　　　　　51館（30.7％）
　　　・検討中である　　　　　　　　　　　　38館（22.9％）
　「制定済である」77館のうち、実際に廃棄の実績があるのは44館である。

（９）図書館資料の他大学図書館への管理換について
　①管理換の実績（５か年間）
　　　・管理換の実績がある　　　　　　　　　59館（34.5％）
　　　・ない　　　　　　　　　　　　　　　 112館（65.5％）
　規模別では、Ｃ規模の17館（41.5％）が多く、Ｂ規模、Ａ規模、そしてＤ規模で11館
（23.9％）の順となっている。館種別では、総合その他が35館（56.5％）と最も多く、工
学系の11館（36.7％）と続く。沿革別では、「旧帝大」が10館（50％）が多い。
　②管理換の実績冊数（最近５か年間）
　　　　・管理換した図書の合計　　　　　　　30,837冊
　　　　　　　　　　　　　　　１館の平均　　　 670冊
　　　　・管理換した雑誌の合計　　　　　　　19,074冊
　　　　　　　　　　　　　　　１館の平均　　　 829冊
　これを全大学で平均すれば、管理換した図書は５年間で１大学当たり315 冊、また雑誌
は１大学当たり195 冊と僅かである。
　図書の管理換を行った館は、規模別ではＣ規模が12館（1,203 冊）、館種別では工学系
が11館（985 冊）、沿革別では「旧六と筑波大」が５館（8,712 冊）とそれぞれ多い。
　雑誌については、規模別ではＡ規模が９館（1,590 冊）、館種別では農学系が１館で
7,430 冊、沿革別では「旧帝大」が６館（2,326 冊）とそれぞれ多い。

（１０）効果的な図書館資料収集、保存のために学内でどのような調整を行っているかに
ついては、回答をまとめてみると、
（図書の受入れ、選定に関して）
　・図書の重複購入を避けるか禁止をしている（18館）
　・図書の選定において委員会を設けている（７館）
　・図書の選書マニュアル・受入れ基準の制定（４館）
　・全学的な選書を行っている（２館）
（雑誌の分担収集・保存等に関して）
　・外国雑誌の集中管理、保存（８館）
　・学術雑誌の共同購入・利用（４館）
　・関連主題の紀要類の分担収集・保存（５館）
　・バックナンバーの分担収集を実施または計画中（３館）
　・バックナンバーセンターの収集（１館）
（その他）
　・利用度の低くなった資料を本館が保存することとした（１館）
　となっている。
　また、基準や申し合せの具体例としては、
　備付資料集書要項、備付購入図書館資料選択基準、図書資料収集計画（実施要項）、資
料収集方針、集書の基本方針、寄贈資料受入基準、図書資料選択委員会申し合せ、附属図
書館における集中管理及び重複管理、などがあげられている。

（１１）地区・地域・分野別の分担収集・保存について
　①分担収集・保存の組織があるか
　　　・ある　　　　　　　　　　　　21館（12.3％）
　　　・ない　　　　　　　　　　　 150館（87.7％）
である。組織があるのは、規模別では、Ｄ規模が７館（15.2％）と最も多く、館種別では
、医学系12館（30％）、沿革別では、「新設医科大」が３館（20％）であり、教育系、工
学系、農学系ではほとんど行われていない。
　②分担収集・保存に関する組織と内容として次のような回答があった。
　・北海道教育資料の地域別分担収集
　・日本医学図書館協会関東地区医学図書館協議会マイナー逐次刊行物分担保存
　・日本医学図書館協会中国四国部会学術雑誌（国内）バックナンバー分担保存
　・関東地区国立大学図書館協議会一般雑誌・教養誌の分担保存
　・東京西地区大学図書館相互協力連絡会外国新聞分担保存
　・大阪地区大学図書館新聞等の分担保存に関する懇談会

（１２）部局図書館・室の状況について
　大学図書館実態調査では部局図書室の実状が把握できないため、本館で記入する方法で
回答を求めた。
　①部局図書館・室の存在

区　　　　分		１．部局図書館・室がある	２．部局図書館・室がない
		21大学（22.3％）	73大学（77.7％）
規模別	規模Ａ規模Ｂ規模Ｃ規模Ｄ	9大学（60.6％）　　 6　　（46.2　）　　 3　　（10.7　）　　 3　　（ 7.5　）	6大学（40.0％）　　 7　　（53.8　）　　25　　（89.3　）　　35　　（92.1　）

　なお、部局図書館・室があると回答した大学を沿革別にみると、「旧帝大」が85.7％
（６大学）、「旧六と筑波大」が42.9％（３大学）、「新八」が25.9％（２大学）、その
他の大学が18.9％（10大学）となっている。
　②部局図書館・室の状況
　部局図書館・室の数は全体で217 あり、資料収蔵等の状況は以下の通りである。
　－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　　　区　　　　分　　　　　全　　　体　１大学あたり平均　１館あたり平均
　－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　　　面積（㎡）　　　　　　　184,729 　　　　　8,797 　　　　　　851
　　　棚板総延長（ｍ）　　　　711,026 　　　　 33,858 　　　　　3,277
　　　図書の所蔵（冊）　　 21,045,578 　　　1,002,170 　　　　 96,984
　　　雑誌の所蔵（種）　　　　246,882 　　　　 11,756 　　　　　1,138
　　　平成３年度受入数（冊）　539,598 　　　　 25,695 　　　　　2,487

　③書庫の狭隘度について
　　　・非常に狭隘　　　　　　12館・室（57.1％）
　　　・狭隘　　　　　　　　　 7館・室（33.3％）
　　　・余裕がある　　　　　　 2館・室〈 9.5％）
　上記の結果から約９割の部局図書館・室では余裕がない状況である。
　④部局図書館・室で収容しきれなくなった図書館資料の扱いについて
　　・返却の希望があるが本館に収容できない。　　6 館・室（23.1％）
　　・順次返却され、本館等に収容している　　　　8 館・室（30.8％）
　　・図書館・室以外の場所に別置している　　　　5 館・室（19.2％）
　　・管理換・廃棄等により処理している　　　　　3 館・室（11.5％）
　　・その他（分館・室で措置；箱詰め、書庫内に横積み、下置きなど）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　4 館・室（15.4％）
　回答結果の数に特に目立った差はなく、それぞれの大学において収容しきれなくなった
図書館資料の扱い方法は多岐にわたっている。

（１３）共同保存図書館について
　アンケート調査では、当調査研究班で検討した共同保存図書館の機能について紹介した
上で、次の質問を行った。先ず、
　①このような共同保存図書館が設置された場合、貴館では重複する図書館資料及び利用
頻度の低下した図書館資料を共同保存図書館に移したいとお考えですか。
　　　・直ちに移したい　　　　　　　　　　　　　　28館（17.7％）
　　　・近い将来移したい　　　　　　　　　　　　　52　（32.9　）
　　　・当面移さないが、いずれかの時期に移したい　62　（39.2　）
　　　・その他　　　　　　　　　　　　　　　　　　16　（10.1　）
　その他では、「条件が整えば移したい」、「現時点で判断出来ない」が、それぞれ３館
あった。以上の数字から、約半数の80館（50.6％）が共同保存図書館に資料移管の意向が
あることが示された。
　次いで、「直ちに移したい」、「近い将来移したい」と回答した館に対して、移管する
資料の量的把握のために次の二つの質問を行った。
　②移管する場合の「図書」の冊数は
　　　・５千冊未満　　　　　　　　　　　　　　　12館（42.9％）
　　　・５千冊～１万冊　　　　　　　　　　　　　 4館（14.3％）
　　　・１万冊～３万冊　　　　　　　　　　　　　 8館（28.6％）
　　　・３万冊～５万冊　　　　　　　　　　　　　 2館（ 7.1％）
　　　・５万冊以上　　　　　　　　　　　　　　　 2館（ 7.1％）
　３万冊未満に大半（85.8％）の回答が寄せられている。
　③移管する場合の「雑誌」の冊数は
　　　・１千冊未満　　　　　　　　　　　　　　　 7館（25.9％）
　　　・１千～３千冊未満　　　　　　　　　　　　 5館（18.5％）
　　　・３千～５千冊未満　　　　　　　　　　　　 3館（11.1％）
　　　・５千～１万冊未満　　　　　　　　　　　　 7館（25.9％）
　　　・１万冊以上　　　　　　　　　　　　　　　 5館（18.5％）

　最後に、調査研究班が質問した設問以外に、共同保存図書館についての意見と希望を求
めた。共同保存図書館の構想については数行にわたる概要だけであったことから、何らか
の記入のあったものは32館あり、そのうち、「共同保存図書館の早期実現を望む」という
意見が８件で、そのほか、共同保存図書館の設置場所（箇所）から、事業内容への注文ま
で、多岐にわたる意見があった。
　寄せられた意見は次のようなものである。
（共同保存図書館の設置及び施設に関して）
　・共同保存図書館の早期実現を望む（８件）
　・全国に何箇所設置する予定か（以下、いずれも１件ずつ）
　・人文社会系、自然系、医学系など分野別の保存図書館がほしい
　・地区ごとに設置してほしい
　・地域拠点方式------外国雑誌センターに準ずる考え方をとる
　・共同保存図書館設置要求の内容次第では、各大学の施設整備が抑制されないよう、
　　配慮してほしい
　・オリジナル資料を保存する収蔵環境の整った施設であること
（共同保存図書館のあり方に関して）
　・学術情報センターとの協力や職員の適切な配置が必要
　・NACSISに登録されている書誌はすべて保存可能としてほしい
　・所蔵替えがNACSIS-CAT上で容易に変更できるようにしてほしい
　・資料の管理換手続きは簡単にしてほしい
　・廃棄手続きにおける照合作業を共同保存図書館でしてほしい
　・数館で欠号のあるタイトルは共同保存図書館に寄託して所蔵したほうが有効
　・出版年の古い雑誌は網羅的に保存する
　・灰色文献についても網羅的な収集と保存を検討している
　・共同保存図書館で重複資料の除籍・廃棄の機能を持つ必要がある
　・寄託ではな〈、管理換を中心とした運営がよい
　・曝書、虫害防止等保存技術に関する研究、指導もしてほしい
（保存資料の利用に関して）
　・保存資料の所在情報を整備してサービス機能を充実してほしい
　・利用希望資料の迅速な貸出システムを検討してほしい
　・迅速かつ容易な貸出・複写システムが不可欠
　・利用マニュアルも作成してほしい
（その他）
　・廃棄・不用図書の有効利用も検討（発展途上国への寄贈、民間（古書店）への払い下
げなど）
　・共同保存図書館を学内で教官や会計事務担当者に説明出来るようなまとめが必要
　・日本の場合、米国の大学図書館に比較して、はるかに小規模なのに学外に積極的に資
料を出す理由があるのか