図書館建築基準に関する報告:目次

図書館建築基準に関する報告

平成３年６月

国立大学図書館協議会

図書館建築基準に関する特別委員会

＜はじめに＞
　近年のエレクトロニクスを中核とした科学技術の進展と技術革新や、これを背景とした
情報化社会への移行などの社会環境の変化は、大学における学術研究及び教育についても、
このような変化に対応した高度で多様な展開を惹起するところとなっている。
　大学図書館の役割と機能についても、学術研究及び教育の変化などへの柔軟な対応が必
要となり、学術情報システムの推進、ＣＤ－ＲＯＭなど新しいメディアの導入によって、
革新的ともいえる変革を遂げつつあるところである。
　このような大学図書館の機能的な変革に伴い、図書館施設の規模的な拡大は避けること
ができないところとなり、昭和４３年に設定された現行の面積基準によっては、機能の変
革に十分に対応することが困難であると考えられるようになった。
　国立大学図書館協議会においては、学術情報システムの推進など大学図書館の機能の変
革に対応した図書館施設を維持し、大学における学術研究及び教育の発展に寄与するため、
従来の面積基準の見直しを行い、新しい大学図書館の機能に沿った面積基準案の検討を行
うこととし、これの検討組織として、第３６回（平成元年度）総会において、「図書館建
築基準に関する特別委員会」を設置したものである。
　この特別委員会においては、「図書館建築基準に関する特別委員会設置要項」の定める
ところにより、平成元年度及び２年度の２か年間を検討期間として、鋭意検討を進めてき
た。平成元年度においては、大学図書館の現状把握と基本的な考え方について可能な限り
検討を行い、それまでの検討状況を中間報告としてまとめ既に第３７回（平成２年度）総
会において報告した。また、第２年度（平成２年７月以降）においては、各館の意見を参
考としながら、大学図書館へ新たに付加されてきた機能を面積基準に取り入れる方法を検
討するとともに、既にまとめた中間報告の全般について総合的な調整を加えて、最終報告
書としてとりまとめる作業を行った。
　ここにとりまとめた新しい面積基準についての報告書は、現在の大学図書館の実態を踏
まえながら、今後１０年間程度の機能の変化などを予測したものである。
　面積基準の検討は、ある時点における実態を基礎として面積基準算出式の定数を求める
という手法をとるものであるが、社会の変化などにともない、図書館に求められる機能、
施設のあり方は常に変化していることを考えたとき、さらに一定年数をおいて、基準の見
直しを行う必要があると考えられる。

目次

＜はじめに＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ページ）
第１章　国立大学図書館施設の現状と課題　・・・・・・・・・・・・・・・・　１
　第１節　現行面積基準の成立とその後の大学図書館の機能の変化　・・・・・　１
　　　１　現行面積基準成立の背景　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　１
　　　２「大学図書館施設計画要項」及び「基準面積」の成立　・・・・・・・　２
　　　３　面積基準についての動向等　・・・・・・・・・・・・・・・・・・　３
　　　（１）社会の変化と面積基準についての認識　・・・・・・・・・・・・　３
　　　（２）面積基準の見直しに向かって　・・・・・・・・・・・・・・・・　３
　第２節　国立大学図書館面積の実態調査　・・・・・・・・・・・・・・・・　５
　　　１　現行基準の理論的根拠　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　５
　　　 (1)基準表中の定数　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　５
　　　 (2)学部学生１人当りの必要面積を１㎡としたことの根拠　・・・・・・　６
　　　 (3)大学院生１人当りの必要面積を２㎡としたことの根拠　・・・・・・　７
　　　 (4)書庫面積の補正　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　７
　　　 (5)利用関係および業務関係のため加算する面積　・・・・・・・・・・　８
　　　２　調査結果で判明した実態と問題点　・・・・・・・・・・・・・・・１０
　　　 (1)充足率　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１０
　　　 (2)現在の書架状況　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１０
　　　 (3)長期貸出図書冊数　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１０
　　　 (4)未製本雑誌　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１１
　　　 (5)総延べ面積に占める書庫スペースの割合　・・・・・・・・・・・・１１
　　　 (6)総延べ面積に占める業務スペースの割合　・・・・・・・・・・・・１１
　　　 (7)視聴覚室　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１２
　　　 (8)グループ室　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１２
　　　 (9)閲覧座席数　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１２
　　　(10)その他　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１３
第２章　望ましい大学図書館のスペース　・・・・・・・・・・・・・・・・・１４
　第１節　新たに考慮すべき大学図書館のスペース　・・・・・・・・・・・・１４
　　　１　構成要素別スペースと用途別スペース配分率　・・・・・・・・・・１４
　　　 (1)構成要素別スペース　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１４
　　　 (2)用途別スペース配分率　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１５
　　　２　再検討すべきものと新規に追加すべきもの　・・・・・・・・・・・１６
　　　 (1)再検討すべきもの　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１６
　　　 (2)新規に追加すべきもの　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１８
　　　３　国立大学図書館の新しい基準面積算出式改訂試案　・・・・・・・・１９
　第２節　特別に考慮すべきスペースについての考え方及び積算例　・・・・・２０
　　　１　インテリジェント化、ニューメディア関連スペース　・・・・・・・２０
　　　２　国際化と増加する留学生への対応　・・・・・・・・・・・・・・・２２
　　　３　定員以外の学生数及び教官数（病院職員を含む）の面積積算方法・・２３
　　　４　「ゆとり」への対応　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・２５
　　　５　生涯学習への対応　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・２５

　　付表　国立大学図書館の面積基準の現行と改訂試案－対照表　・・・・・・２９

　調査関係資料
　　国立大学図書館面積基準見直しのための実態調査（様式１～５）　　　　資料１
　　国立大学図書館面積基準見直しのための実態調査集計表（様式１～５）　資料２

　　図書館建築基準に関する特別委員会設置要項等