はじめに

 当特別委員会は平成10年度に加盟館全館を対象にアンケート調査を実施した。このアンケートの中の一つの質問として、図書館業務の経験しか持たない新任管理職に人事、予算等に関する知識を、一方、図書館業務の経験を持たない新任管理職に図書館業務の内容に関する知識を、研修を通じて与えることの必要性について尋ねたところ、回答のあった99大学のうち83大学が「必要である」と答え、「どちらともいえない」9大学、無答6大学「必要ではない」1大学をはるかに上回る数字を示した。
 当特別委員会は、図書館の新任管理職に対するこのような趣旨の研修がつよく待望されていることを認識し、研修で利用できるようなガイドブックを作成するためのワーキンググループを平成11年12月に設置した。このワーキンググループの活動の成果がこのガイドブックである。
 第1章、第2章は大学図書館の管理運営に関する基本的なことがらであり、新任管理職のすべてを対象に書かれている。図書館業務の経験しか持たないひとびとには第3章、第4章、第5章が役立つであろうし、図書館業務の経験を持たないひとびとには第6章、第7章、第8章、第9章が有益であろう。
 短期間に作成したため欠落している事項や思わぬ誤まりもあるかと思われる。その点については今後の改訂にまちたい。このガイドブックが図書館の新任管理職のみならず、図書館の管理運営に関わりを持つ人々にとって少しでも参考になれば幸いである。

平成12年4月

国立大学図書館協議会
図書館組織・機構特別委員会


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