4.おわりに

  本専門委員会の最終報告をまとめるにあたって、各委員は項目の原案作成を分担し、
 次回委員会までは京都大学附属図書館のFTPサーバを介して提示された原案についての意
 見の交換を行った。
  いわば、NACSIS-CATと同様に共同分担方式による報告書の構築を行ってきた。
  また、意見の集約を行うにつれて、学術情報センターへの期待や要望は大きいものと
 なり、あらためて、大学図書館の目録業務は文字通りNACSIS-CATを中心とした共同分担
 作業で動いていることを実感させられることになった。
  これらの要望のうち、既に学術情報センターによりコーディングアニュアルのオンラ
 イン化、地域講習会講師の派遣旅費の学術情報センター負担、中国語資料データベース
 化検討ワーキンググループの設置や目録講習会カリキュラムの見直しなどが行われいく
 つかの問題が解決されている。
  しかし、所蔵データ2000万件は全大学図書館の蔵書数のわずか10%に過ぎず、いまだ
 入力されていない膨大な蔵書を目録DBとして構築していくためには、制度的な整備を期
 待するだけでなく、各大学がさらなる工夫や大学間の協力をさらに強め、入力環境の整
 備と要員の養成について不断の努力をすることがなによりも必要であると考える。
  すなわち、国内の学術情報の整備と流通において大学図書館に求められている重要な
 役割を果たすべく、目録業務においても点検と評価に基づく改善が必要であると考える。
  本専門委員会報告書及びアンケート集計が、各大学における業務点検やこの全国規模
 の分担協力システムをなお一層発展的なものとするための参考となることを期するもの
 である。
  なお、最終報告書作製にあたっては、アンケート調査にご協力いただいた国立大学図
 書館協議会加盟館及び本専門委員会にオブザーバとして出席していただき貴重な情報と
 ご意見をいただいた学術情報センターの関係者各位に厚くお礼を申し上げる次第である。


平成8年6月


                          国立大学図書館協議会
                          図書館情報システム特別委員会
                          目録業務システム専門委員会