参考資料 3
 「RLG加盟館の収書責任領域における最低保存責務」(Minimum preservation
  obligations for RLG members in areas of primary collecting responsibility)

 RLG加盟館は、第一義的に収集する責任のある領域(蔵書管理及び構築委員会の定義
による)のコレクションについて、これを維持、保存し、資源の許すかぎりこれらの資料
の保存活動を拡大していく特別な責務を持っていることを認識すべきである。これら広範
囲の主題コレクションは所蔵館及びその利用者に提供されるだけでなく、RLG加盟館あ
るいは全国の学者、研究者にとっても情報源となる。そのようなコレクションはハードコ
ピーまたはマイクロ形態で、良好な状態に維持し、研究者の不断の利用に応えるようにす
べきである。
 資料が良好な状態にあるとは、現在及び予測できる将来にわたって、特に損傷を与える
ことなく通常の利用ができるということである。紙を使った出版物についていえば、劣化
が進み、利用時やコピー時に剥離や破損が生じる場合、製本や再製本が不可能な場合、あ
るいは酸性度が強く(例えば、砕木パルプを使った新聞紙)、数年のうちに劣化してしま
いそうな場合は、良好な状態とはいえない。合冊製本については、内部の製本構成が壊れ
ていたり、表紙が完全でなければ良好な状態とは言えない。フィルムを使った出版物(例
えばマイクロ資料やスライド等)は、破れたり、しみが付いたり、傷が付いたり、あるい
は、通常の機器で読めないほど劣化していたり、リールやスライドの枠が壊れている場合
は、良好な状態とは言えない。切り抜きのあった資料は良好な状態ではない。優先順位と
しては、図書館資料のうち、なくなった図書や切り抜きのあった図書の置き換えを優先す
べきである。
 資料が良好な状態にない場合、修理、再製本、修復等の措置が可能で、それが良好な状
態を維持する適切な措置であれば、そのようにすることができる。そうでなければ、リプ
リント版やマイクロ版を購入することもできる。それもできなければ、フィルムで覆った
り、文書記録の方法(archival)でハードコピーに複製することもできる。

1981年10月15日 RLG保存委員会で承認された。
1983年1月21日 RLG蔵書管理及び構築委員会で承認された。