3 化学的劣化要因と対策
 (1)酸による劣化と対策
 ア 原因と特徴
 イギリスで産業革命が終焉を迎えるころから、ヨーロッパ経済が上昇に向かうとともに
文化面でも隆盛期を迎えた。中産階級が台頭し識字率が高まり、雑誌や日刊新聞が大量に
発刊され、紙の需要が急激に増大した。ポロ布からの製法では供給が迫いつかず、藁から
紙が作られ、また、効率の良い長抄機や輪転機式印刷機が発明されるに至った。また、こ
れまで滲み止め剤として膠から精製されたゼラチンが使用されていたが、このころから膠
そのものが使用され、それを紙に定着させるために明礬が混合された。
 1807年ドイツの M.F.Illigが滲み止め剤の膠にかわるものとして松脂を原料とするロジ
ンサイズを、さらにそれを紙に定着させる媒剤として礬土(硫酸アルミニウムの通称でア
ラムとも呼ばれる)を使用する方法を発明した。製紙業界でこのアラムが使用されるのは
1820-30 年からである。硫酸アルミニウムが紙中の水分や空気中の水分と反応し硫酸とな
り、時とともに濃度が上昇し紙のセルロースを破壊する。また、ヘミセルロースも酸に対
する抵抗カが弱いため、酸性物質がへミセルロースを分解して紙の強度を弱める。通常紙
は約8%の水分を含んでいるが湿度80%の条件下では10%程度の水分を吸収する。さらに
高温がこの分解を助長する。この硫酸アルミニウムの化学反応が劣化原因の第一である。
 第二の劣化原因はリグニンによる光化学反応である。1719年 R-A.Ferchault de Reaumu
r がぼろ布に代わる製紙原料として、材木からパルプを作ることを発見した。その後、18
44年にドイツのF.G.Kellerが動力によって機械的にパルプ化するグラインダーを発明する
におよび、1852年になって実用化が可能となった。工業化はさらに遅れて1862年である。
所謂砕木パルプである。
 リグニンはセルロース、へミセルロース等とともに植物体の骨格をなす主要成分で含有
量は 20-30%、砕木パルプにおいてもほぼ同様の率で含まれる。このリグニンが光化学反
応を起こしてセルロースを分解し変色させる。新聞紙等が日光に直接あたると短時間で変
色するのはこのためである。砕木パルプは収率歩合が高く安価であるが、白さ、強さが劣
り品質は悪い。1870-90 年頃の藁の高騰から新聞用紙の製紙原料として砕木パルプが大量
に使用された。
 第三の劣化原因は製紙過程で使用されるいろいろな化学薬品である。1867年アメリカの
B.C.Tilghmanがサルファイト・パルプ(Sulphite Pulp、亜硫酸パルプ)の製造法を発明し
た。これは木材チップとバンド(重亜硫酸石灰水)を蒸煮し化学的にパルプを作る方法で
ある。この方法で木材のリグニン等の不純物約50%が除去され、かなり純粋なセルロース
が精製され、薄手、均質で引きの強い純白の紙が大量に生産されるようになった。
 しかし、品質を高めるためサイジングや漂白等の工程で色々な物質が使用される。サイ
ジング剤として松脂サイズ、膠サイズ、澱粉サイズ、珪酸ソーダサイズ、填充剤として白
土(珪酸アルミニウム)、滑石、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、サチン白、漂白剤と
してライムストーン、塩素石灰、炭酸ソーダ、硫酸礬土、苛性ソーダ等々がある。
 さらに1856年にW. H. Perkinがアリニン染料を発明し、スイスのF. F. Rungeがコール
タールからアリニンを分離・合成に成功するにいたって、それがインクや染料にも使用さ
れ始めた。これが製紙の顔科、染料として使用され始めるのが1890年頃−亜硫酸パルプの
工業化と同じ時期である。これら製造過程で使用された化学物貿が純の劣化の原因になる
のである。
 なお、サルファイト・パルプの工業化は1874年に小規模であるがスウェーデンで始まり、
1880年にはドイツを始め、欧州各国へと拡がっていった。日本における本格的な生産は18
95年で欧米より20年近く遅れた。このため、日本は欧米に比べ劣化資料の冊数が少ない。
 以上のとおり、酸性物質による紙の劣化は製紙技術の発明とその工業化に密接な関係を
持っている。アメリカの大学で実施された酸性紙による劣化資料の実態調査によると、資
料の発行国や学問分野によって若干の相違はあるが、総じて1860年から1930年に刊行され
た資料が劣化している(参考注1)。ピークは1890年頃でサルファイトパルプ工業化の初
期にあたり、この頃の紙はポテトチップ並みと表現されている。なお、1930年以降の資料
は劣化していないのではなく、経年が少ないため著しい劣化が進んでいないだけである。
今後時間の経過とともに劣化していくことは明らかである。
 これらの化学反応を促進させる付加的要因として、資料の置かれた環境、即ち気温(書
庫暖房)、湿度が大きく作用するのである。

 イ 酸性紙対策−中性紙化(脱酸処理)
 現在、世界各国の図書館は酸性劣化した資料に対して化学的に脱酸処理を施し、紙の中
性化、あるいはアルカリ化を図る技術を調査・研究し、いろいろな処理技術、装置を開発
している。資料一冊ずつ、あるいは一枚ずつ丁寧に修復・強化・脱酸する必要のある貴重
な資料に用いられる小規模脱酸法及び紙強化法、資料を一括大量に、しかも安価な費用で
処理する大量脱酸法などの処理規模による区分、気相浸透式と液相浸透式(非水性と水性
がある)の処理方法による区分等がある。各々に長所、短所があり、研究開発段階のもの、
稼働中のものとさまざまである。それらの特徴を比較し易いようにまとめたものが(
)である。

 (ア)大量脱酸法
 a DEZ法・AKZO法(ジエチル亜鉛ガス処理法)
 米国議会図書館(LC)において1973年以来大量脱酸処理プロジェクトが組織されて開
発された方法がDEZ法である。劣化資料を入れたタンク中を真空状態にして、ジエチル
亜鉛ガスを注入する。ジエチル亜鉛ガスは残留水分と反応して水酸化亜鉛の小さな粒子と
なり、紙の網状組織に均一に生成される。これがアルカリ緩衝剤として働き、紙中に0.5
%から1%残留するとpHが6.5 以上となり脱酸化されるのである。
 1976年米国議会図書館(LC)はこの処理技術の特許を取得した。この方法はさらに実
験・改良が加えられ、1982年NASAで一度に5,000 冊の脱酸処理実験に成功し、アメリ
カ議会技術評価局(Congress of the United States Office of Technology)の高い辞価
を受け、1984年大型脱酸処理施設建設予算として1,150 万ドルの予算が議会で承認され、
1985年に工事が着工されたという経緯がある。米国議会図書館(LC)では1冊 3.5ドル
の見積コストで年間約 100万冊を脱酸化することを計画している。さらに1989年にアクゾ
ケミカル会社(AKZO Chemical)がこの処理方法に改良を加え、特許を譲り受けてAKZO
法と呼ばれる処理方法を開発している。
 長所:
 (i)ジエチル亜鉛ガスは容易に本の内部まで浸透し、紙の分子構造と密接に接触し反
    応を起こす。
 (ii)脱酸剤は紙の網状組織に存在するすべての遊離酸を中和する。
 短所:
 (i)処理する資料を予め乾燥させる必要がある。
 (ii)処理後の資料に薬品臭が残留し、一部のカバーに虹模様の入ることがある。
 (iii)残留する酸化亜鉛が光劣化を促進させないか、人体の皮膚、呼吸器、目などに悪
    影響を及ばさないか等の判断をするデータがない。
 (iv)2度にわたる大爆発事故を起こしている。ジエチル亜鉛ガスは空気にさらされる
    と自然発火するので、多額の安全投資費用と高度の熟練した技術を必要とする。
 (v)処理施設が大がかりである。

 b 工タノールアミン法(BPA法)
 ブックプリザベーション社によって提案された方法で、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンオキシド、アンモンニアガスの混合物に
よる気相浸透法である。処理前の紙のpH値3〜4が処理後には8〜9に変わる。少なく
とも1%のアルカリ緩衝剤が紙中に沈着する。また、エチレンオキシドによる殺菌効果も
ある。ただ、この処理方法の実験データは少ない。
 長所:
 (i)使用する薬品は可燃性であるが自然発火しないため、ジエチル亜鉛を使用するA
    KZO法のような安全対策投資が少なくてすみ、安価である。
 (ii)事前に資料選別をする必要がなく、段ボール箱に詰めたまま処理できる。
 (iii)AKZO法に比較して 1/3の時間(24時間以内)で処理できる。
 (iv)砕木パルプの場合は紙が著しく強化され、紙、インク、製本に悪影響を与えない。
 短所:
 (i)紙の質によって処理後のpH値がもとに戻ることがある。
 (ii)低質紙の場合は変色する。
 (iii)紙に残るアルカリ成分は液体である。
 (iv)エチレンオキシドは人体への毒性が強い。

 c ウエイトー法・同改良型(Wei T’o法:フロン液化ガス法)
 Richard D. Smithがシカゴ大学の図書館学校で脱酸処理法を研究し、その後カナダ国立
図書館に招聘された。彼の研究成果をもとにウエイトー社が開発した非水性処理方法であ
る。まず真空乾燥機で脱水し、次に真空容器内においてメタノールとフルオロカーボンの
混合溶媒中でメトキシマグネシウム、メチルカルボナートを使用して脱酸化する。その処
理のあと水分を回復させる。1981年からカナダ国立図書館及び公文書館で、さらに1986年
にフランス国立図書館のザブレの資料修復センターでこの方法が採用されている。

 特徴:
 (i)紙中の含水量を 0.5%まで真空乾燥しなければ脱酸剤の不完全沈着やゲル化現象
    が起こる。
 (ii)印刷インク、染料、近代の接着剤すべてに対して安定しているとはいえない。
 (iii)均一な脱酸が得られない(資料の中央部分でpH5.0-6.0,外部小ロ周辺でpH
    7.6-10.0)。
 (iv)ハーフトーンイメージ、皮革製本に影響を与えるので事前の点検、選別が必要で
    ある(J.Holmesは 3%、OTA(米国議会技術評価局)は 20-25%の資料がこの
    方法に適さないと報告)。
 (v)排出・生産禁止予定のフロンを使用する。

 d ブックキーパー法
 1981年ピッツバーグのKoppers Chemical Companyによって開発され、その後も処理工程
に関する研究が続けられたが、突然開発が打ち切られている。フルオロカーボンに界面活
性剤と酸化マグネシウムを混合した懸濁液に漬け、処理後水分を空気乾燥機で取り除く。
時間の経過とともに紙の表面に沈着した酸化マグネシウム粒子に酸が反応し脱酸される。
 特徴:
 (i)紙、インク、ハーフトーンイメージ、接着剤への影響はない。
 (ii)中和時間が長いが、pH値が9まで高くなる。
 (iii)事前に資料選別をする必要がない。
 (iv)均一な脱酸が得られる。
 (v)排出・生産禁止予定のフロンを使用する。

 (イ)小規模脱酸法及び劣化紙強化法(表3

 a ウイーン法
 オーストリア国立図書館で新聞紙の保存法として開発されたもので1987年から稼働中で
ある。真空容器の中で、中和剤として水酸化カルシウム、強化剤としてMC40の水溶液に
浸透させ、冷凍乾燥させる水性液相浸透法である。印刷インクには影響がないが、スタン
プなどは滲みの起る可能性がある。

 b 二ーダーザクセン法
 西ドイツの二ーダーザクセン州立公文書館とミュンヘンの紙工学財団によって、記録文
書に適した水性処理による脱酸処理法として開発された方法である。正式の名前がないた
め、ここでは仮に二ーグーザクセン法と呼ぶ。弱アルカリ性重炭酸マグネシウム溶液に常
温で短時間浸透し脱酸させる。その後チロールC30などのセルロース誘導体を用いて再度
サイジングする。再サイジングで紙の光学的、力学的性質が改善されるといわれている。
しかし、筆記用インク、特に記録文書の署名に使われたインクに安定性がないため、鋭意
改善中である。

c グラフト重合法
 英国図書館で開発中の方法である。アミノエチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エ
ステル等の溶液に浸透させた後、弱いガンマー線を照射してセルロースを隅々まで重合さ
せる非水性液相式の処理法である。さらにメタクリル酸ジメチルアミノエチルなど少量の
塩基性コモノマーを添加することによって一層紙が強化される。この方法で処理された紙
は強度が5-10倍に増加すること、寸法は変化しないが重量が 10-20%増加すること、染料
の種類によっては影響を受けるので事前の点検が必要であること等の特徴がある。

 d ぺーパースプリティング法
 ライプチッヒ国立図書館で開発された、脆く傷んだ紙の更生法である。劣化した一枚の
紙の両面にゼラチンを塗り、裏打ち紙と表張り紙を張り合わせる。少し乾燥した後、紙本
体を二枚に引き裂く。カルボキシメチルセルロースとアクリル酸塩を接着剤として、コッ
トンリンターか薄和紙を中に挟み、剥がされた二枚を貼り合わせる。この時、中に挟む紙
に炭酸カルシウムを添加するとアルカリ緩衝剤となる。その後水性酵素で初めに使用した
ゼラチンを分解し、裏打ちした外側の二枚を除去し乾燥させる。途中で殺菌剤を加えるこ
とも可能である。現在、機械化する方法が研究されている。

 e パリレンラミネート法
 ひどく損傷を受けた紙を真空容器に入れ、ジパラキシレン(二量体)を気化させて蒸着
させる。これは紙の強化をはかる方法で、脱酸効果はない。

 f アルカリ水溶液浸透法
 W. J. Barrowが考案した方法で、劣化した紙一枚一枚をアルカリ性水溶液に浸透・中和
させるものでる。重炭酸マグネシウム水溶液のみに浸す一漕式、最初に水酸化カルシウム
水溶液、次に重炭酸カルシウム水溶液に浸す二漕式の2種類がある。1950年代世界各地の
脱酸処理がこの方法で行われた。後にこの溶液をスプレーで噴霧する方法も行われた。

 以上のとおり脱酸処理にはさまざまな方法があるが、種々の化学薬品が第2次劣化要因
となる可能性、劣化した資料の材質、形態によって採用する最適な方法とその操作性、対
費用効果等のデータが出尽くしているとはいえない。特に大量脱酸方法は施設も大掛かり
で、個々の図書館で行うには財政的、技術的に困難である。さらに現時点の脱酸技術は紙
を強化して若返らせるのではなく、劣化の進行を防止、抑制するものであって、 25-30年
以上経過し、すでに劣化した紙に効果があるか否かと疑問が呈し始められている。

(2)光による劣化と対策
 いかなる光源からも赤外線、紫外線が放出される。赤外線は熟を放出し、虫やカビを繁
殖させる環境をつくり出す。直射日光による輻射熱は温度変化が著しく、物体の膨張収縮
を招き変形、破損の要因となる。紫外線は褪色、染料破壊、材質劣化を引き起こす。前節
で記したように、特に砕木パルプから作られた紙は日光(特に紫外線)によって短期間に
変色する。
 蛍光灯の近くに置かれた資料では熱や紫外線による劣化が進行する。紫外線フイルター
付蛍光灯管への取替えやタイマー付消灯装置の取付け、照度の管理が望まれる。書庫の南
西部の窓端は絶えず日光にさらされているので、窓際にブラインドを取付けるなど閲覧室、
書庫等の環境整備が必要である。

 4 物理的劣化要因と対策
 物理的劣化要因として考えられることは圧カである。これには長期間にわたり、徐々に
加えられる圧力と突然に加えられる圧カがある。前者の多くは資料の材質、形状に適さな
い状態で長期間書架等に置かれていることから起こり、後者は人、即ち、図書館職員や利
用者の資料の取扱いから起こる。さらに両者の相互作用がある。例えば書架にぎっしり配
列された資料は、それ自体が劣化の原因となるが、書架から取り出す際に本の背の上部に
指を掛け手前に引く行為が弱ったクロースの破損、キャップ部分の破損、表装部分と本体
の剥離、あるいは横にある資料の落下等を引き起こす。
 これらの要因は以前からいわれてきたことであり、常識と適切な書架・書庫管理で資料
を破損から守れることが多い。書架・書庫管理の見直しと図書館職員への教育、さらには
利用者への教育が実施されるべきで、そのマニュアルの作成が是非必要である。その際に、
これまで善意で行われてきたこと、例えばフィルムルックスやセロテープ、ブッカーなど
による修理が長い年月を経て劣化の原因となり得ることも十分考慮に入れねばならない。
 最近の複写技術の進展により複写件数は増加の一途をたどっている。複写時に鮮明度を
求めるため、過度の押下圧力や同一資料の複写回数の増加は製本強度の弱体化、綴糸の破
損、背割れ、表紙と本紙の分断、頁の剥離等を招く。 180度以下の開頁で鮮明な複写が可
能で、かつ操作の良い機器の開発を複写機製造メーカーに要望していかねばならない。

 5 その他
 自然現象の猛威による災害には地震とそれに伴う火災、台風・洪水による水害がある。
また、人の不注意等による災害として火災がある。それらは図書館資料そのものを焼失・
破損させ、あるいは劣化の要因を作りだす。これらの原因を取り除くことは不可能である。
(表4)に示したとおり、資料の劣化防止対策の点から考えるべきことは被害を最小限に
くい止める事前の対策、被災した資料を修復する事後の処置である。事前の対策は建物構
造上の対策、施設・設備の適切な整備であり、事後は冠水した資料の修復である。
 冠水した資料の処理には冷凍乾燥方法がある。大量の資料が冠水した場合、1冊毎の処
理に時間がかかり、未処理分を放置して自然乾燥させることになる。その結果、頁が密着
し剥がれなくなる。これを防ぐため冠水した資料を一時的に冷凍し、修理可能な冊数のみ
常温で自然解凍し、頁間に吸い取り紙等を挟み、徐々に完全乾燥させるのである。

                                            (表4)
 (i)自然災害
      予想される被害        事前の対策   事後の処置

 
 
書架の倒壊、書架からの落下による破損
地震後の火災による焼失、消火による冠水
 
 
建物構造上の対策(耐震構造等)
書架の倒壊防止処置(書架の固定等)
書架からの落下防止処置
防火・消火施設の整備
冠水した資料の修復
 
 
 

風による破損
雨漏り等による冠水
窓枠・窓ガラスの強化処置
雨漏り防止処置
冠水した資料の修復
 

 
資料の流失、冠水
 
 
建物の位置変更
構造の改善(地下書庫)
排水施設の整備
冠水した資料の修復
 
 

 (ii)人的災害
      予想される被害        事前の対策   事後の処置

資料の焼失                   
消火による冠水
防火、消火施設の整備         
 
冠水した資料の修復
 


(参考注1)
 アメリカのスタンフォード大学では1910〜1919年、エール大学では1866〜1900年と1906
〜1940年、ケースウエスタンリザーブ大学では1778〜1968年、ノースカロライナ大学では
1860〜1914年、カリフォルニア大学では1850〜1947年、プリンストン神学校では1860〜19
29年に出版された図書が主に劣化しているとの報告がある。