平成24年度国立大学図書館協会シンポジウムを開催

パネルディスカッションの写真
 平成24年度国立大学図書館協会シンポジウムが、去る12月3日(月)に共催機関である千葉大学アカデミック・リンク・センターを会場として開催された。

 このシンポジウムは、国立大学図書館協会に新たに設置された教育学習支援検討特別委員会が「ラーニング・コモンズ再考」と題して企画したもので、学修環境の整備、学生の主体的な学修のベースとなる図書館の機能強化を踏まえて、近年大学図書館に整備されている「ラーニング・コモンズ」について、持つべき機能や役割を考えることを目的としている。

 当日は、同委員会の委員長である佐野充名古屋大学附属図書館長の挨拶の後、3つの講演とパネル・ディスカッションが行われた。最初に同志社大学社会学部の山田礼子教授から中教審での議論及び学士課程教育の質保証を踏まえて、アクティブ・ラーニングの必要性とその「場」としてのラーニング・コモンズの役割が述べられ、続く日本大学文理学部の小山憲司准教授の講演では、日本のラーニング・コモンズの現状から今後を考えるポイントについての指摘がなされた。最後に、青山学院大学教育人間科学部の野末俊比古准教授から、英国シェフィールド大学等の英国の大学図書館における教育・学習支援の事例が紹介された。

 休憩をはさんで行われたパネル・ディスカッションでは、千葉大学アカデミック・リンク・センターの竹内比呂也センター長のコーディネイトにより、空間、コンテンツ、人的サポートをキーワードにして、ラーニング・コモンズに求められるものについての活発な意見交換が行われた。

 当日の参加者は100名を超え、教育・学習支援やラーニング・コモンズへの国立大学図書館の関心の高さをうかがわせるシンポジウムとなった。