1.はじめに
学術情報センターの目録システム(以下「NACSIS-CAT」という。)は、創設以来オン
ライン共同分担方式による目録所在情報データベース(以下「目録DB」という。)の構
築が図られ、我が国の学術研究の重要な情報提供基盤となっている。
国立大学図書館は、当初から目録DB形成に参加してきたが、各大学における目録業務
システムにおいてもNACSIS-CATは重要な基盤となっている。
一方、大学図書館がこれまで経験したことがない巨大コンピュータ・システムを利用
した目録業務は、システムに接続し参画するという第一段階を終え、目録データの品質
向上・維持・管理を行うための制度的、実務的問題を解決していかなければならない段
階に到達したといえる。
さらに、平成5年12月学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会は「大学図書館機
能の強化・高度化の推進について」報告し、「大学図書館間の連携協力を推進するため、
共同分担目録システムへの参加と遡及入力の推進が不可欠である」と、遡及入力の必要
性を強調している。
「目録業務システム専門委員会」(以下「本専門委員会」という。)では、これらを
踏まえ、平成5年度より3か年を目処として、入力側の立場から目録データの品質向上
をめざし、改善すべき事項、拡充すべき機能等について検討を重ねてきた。
検討の経緯を第2項で、様々な問題のうち重点的な三事項について第3項で報告する
こととする。