国立大学図書館協議会理事会(平成12年度第3回)議事要録

日 時 : 平成12年11月29日(水) 13:30〜16:50
場 所 : 京大会館
出席者 : 別紙のとおり

  1. 開 会 
  2. 会長挨拶
  3. 前々回議事要録及び前回議事要録の承認
  4. 報告事項
  5. 協議事項
  6. その他 
  7. 閉 会

1.開 会

2.会長挨拶

 落合会長(東京大学・館長)から開会の挨拶の後、東京工業大学のオブザーバー出席が諮られ、承認された。ついで出席者の自己紹介があった。

3.前々回及び前回議事要録の承認

 前々回理事会(平成11年度第4回、平成12.5.25 東京大学附属図書館)及び前回理事会(平成12年度第1、2回、平成12.6.28〜29金沢市文化ホール) の議事要録(案)について朗読は省略し、会議終了までに訂正等があれば申し出ていただきたい旨、落合会長より提案があった。

 続いて配付資料の確認を事務局(東京大学・山下総務課長)が行った。

4.報告事項

1. 事業計画の実施状況について

 事務局(東京大学・山下総務課長)から以下の報告があった。

 (1) シンポジウムの実施状況について
 東地区は筑波大学を会場に11月21,22日両日にわたって開催され、36名の参加があり、活発な議論が行われた。なお、西地区は名古屋大学を会場として12月7,8日に開催予定である。
 (2) 日米両国における学術情報アクセスの改善のための情報担当者会議については協議事項で報告を行う。
 (3) 特別委員会の活動については各委員会の報告に委ねる。

2. 国立大学図書館協議会賞受賞者選考委員会報告

 東北大学・濟賀事務部長(同委員会委員長館)から、昨日開催された平成12年度第2回選考委員会の審議内容について、次のとおり報告があった。

 (1) 応募締切り日の平成12年10月31日までに4件の応募があり、調査小委員会からの推薦はなかった。
 (2) 受賞候補作品を審査する審査専門委員(3館)の選出については、応募者の所属する地区を除き、受賞者選考委員会委員長館と協議会会長館に一任する。

3. 国立大学図書館協議会海外派遣者選考委員会

東北大学・濟賀事務部長(同委員会委員長館)から、昨日開催された平成12年度第2回海外派遣者選考委員会の審議内容について、次のとおり報告があった。

(1) 平成12年度派遣状況について、(a)千葉大学附属図書館情報サービス課参考調査係・鈴木宏子:調査研究テーマ「情報リテラシー教育について」、(b)岡山大学附属図書館情報サービス課電子情報係長・北條充敏:調査研究テーマ「海外におけるコンソーシアムによる電子情報サービスの動向について」の2名が派遣され、報告書(資料bP)が提出されている。
(2) 7月7日付けで平成13年度海外派遣者の募集を行ったが、11月27日までに応募は無かった。締切りは12月末日なので各地区で応募の働きかけをお願いしたい。

  • 特別委員会報告

    (1) 著作権特別委員会報告
     東京大学・高橋事務部長(同委員会委員長館)から、配付資料(bQ)にもとづき、日本複写権センターの「大学図書館における文献複写に関する実務要項A案」についての見解及び要望に対する回答文書についての検討を行ったこと、また文化庁著作権審議会への要望について検討したことの報告があった。

    (2) 国際情報アクセス特別委員会報告
     東京大学・木下情報管理課長(同委員会委員長館)から、配付資料(bR)にもとづき、次のとおり報告があった。
    @平成12年度事業計画を策定した。
    A主に日米DDS試行実験及び同総括のために、諏訪田北海道大学情報システム課長及び早瀬東北大学情報サービス課長を新たにWGメンバーとした。
    B日米DDS試行実験期間を米国側の同意を得て延長した。米国側の実験参加館が7大学増加し、平成13年8月末現在の実験状況は、日本から米国への依頼が460件、米国から日本への依頼が32件となっている。
    C日米DDS試行実験プロジェクト総括会議「日米両国における学術情報アクセスの改善のための情報担当者会議」を下記の予定で開催する。

    開催月日 平成13年1月31日(水)〜2月1日(木)
    開催場所 KKRホテル東京
        ※2月1日午後は、会議成果の公開として講演会を開催する予定。
         (場所は、東京大学附属図書館会議室を予定。)

     また、上記会議のための実行委員会を設け、本実験の評価方法等について米国側と協議を進めるとともに、評価のためのデータ収集、アンケートを開始している。
    D国立情報学研究所から、同研究所「日米両国におけるドキュメント・デリバリー・サービスの改善に関するプロジェクト」(平成12年度)への国立大学図書館協議会からの委員派遣依頼があり、本委員会WGから、諏訪田北海道大学附属図書館情報システム課長、星野群馬大学附属図書館情報管理課長、木下東京大学附属図書館情報管理課長、笹川富山大学附属図書館事務部長を派遣した。
    E国際ILLの料金決済方式案・暫定方式案について、WGで検討している。
    F文献画像伝送システムの運用方針案をWGで検討し、第3回特別委員会で中間報告が行われた。

    (3) 図書館電子化システム特別委員会報告
     京都大学・朝妻情報管理課長(同委員会委員長館)から、配付資料(bS)にもとづき、次のとおり報告があった。
    @各ワーキンググループの活動状況は以下のようであった。
    )近畿地区ワーキンググループは計4回の会議を開催し、多言語(中国語・ハングル資料)の目録情報処理における入出力インターフェイス、目録記述におけるインターネット上の情報資源の記述法、テキストデータの充実及び国立大学図書館間の連携協力、国立大学で生産しているコンテンツの共同利用、資料電子化に伴う著作権処理等について検討した。平成12年度中に検討結果をまとめて活動を終了する。
    )関東・東京地区ワーキンググループでは、2回の会議開催とメーリングリストの活用により、IDEALオープン・コンソーシアムの契約安定化・参加大学の拡大、電子ジャーナルの前金払い等について検討を行った。

    (4) 情報資源共用・保存特別委員会報告
     東京工業大学・大埜事務部長(同特別委員会委員長館)より配付資料(bT)にもとづき活動報告があった。なお、本年度中に最終報告書をまとめる予定である。

  • 各地区協議会報告

     広島大学・久野事務部長(中国四国地区連絡館)より配付資料(bU)にもとづき、鳥取県西部地震における被害状況および対応について報告があった。

  • 国公私立大学図書館協力委員会報告

     千葉大学・石倉事務部長より、配付資料(bV)にもとづき、次のとおり報告があった。

    @ 委員長館が、8月1日付けで慶應義塾大学(私立)から千葉大学(国立)に交替した。委員館は(国立)千葉大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、(公立)東京都立大学、奈良県立医科大学、(私立)慶應義塾大学、早稲田大学、京都産業大学、仏教大学、明治大学、成城大学で平成13年7月31日までの任期である。
    A 第48回国公私立大学図書館協力委員会が7月7日(於:佛教大学)、第49回国公私立大学図書館協力委員会が10月12日(於:東京大学)に開催された。
    B 第49回国公私立大学図書館協力委員会で平成12年度予算に平成13年1月に開催される日米DDS総括会議及び12月に開催されるシンポジウムの開催費用が計上され了承された。また、本会議で以下の事項等について協議した。
    )国公私立大学図書館間におけるILL包括規約については、公立・私立の承認を得、10月12日から発効した。
    )平成12年度シンポジウムを「図書館サービスのリエンジニアリング:サービスの本質を考える」をテーマとして、12月4日に開催する。
    )図書館等のオープン端末からの不正アクセスについて、予防・対策等を検討した。
    C国立国会図書館との懇談会が「電子出版物の提供と課題」をテーマとして10月12日に開催された。
    D「図書館相互協力便覧」の改訂作業を進めており、平成12年度中に刊行する予定である。

  • その他

    (1) 国立七大学附属図書館協議会報告
     九州大学・佐田事務部長(当番館)より、配付資料(bW)にもとづき、10月20日に開催された国立七大学附属図書館協議会について、次のとおり報告があった。
     まず、議事の進め方について、現在国立大学が抱えている重要な課題を取り上げてフリーディスカッションする形に変更し、議事録は残さないことになった。
     文部省・尾崎学術情報課長より以下のとおり所管事項説明があった。
    @補正予算は、学内LANの整備費等として10大学に10億円が配分された。
    A省庁再編に伴い、大学図書館の所管課は「学術機関課」となる。
    B遡及入力に関しては、引き続き前向きに取り組むこととするが、予算申請の際のネーミングを考慮する必要がある。
    C情報公開法の施行にあたって、図書館資料を行政文書から除外する規定については統一化を図る予定である。
    D電子ジャーナルの前金払いについては、大蔵省と折衝中である。
     その他、独立行政法人化への対応に関連して、()東北大学で今年度から情報担当の総長補佐が設置され、図書館長が兼任することになったこと、()北海道大学で平成13年度から情報担当の副学長が設置され、図書館長が兼任することになったこと、等の事例が報告された。

    (2) 文献複写のためのファクシミリ網・装置の代替方策について
     事務局(東京大学・山下総務課長)から、配付資料(bX)にもとづき、次のとおり説明があり、了承された。
     平成13年度末に国立情報学研究所のパケット交換網が廃止されるのに伴い、G3/G4ファクシミリ網に代わる文献画像伝送システムの導入を検討しているところであるが、4月に事務局より各地区に意見照会したところ、具体的な推奨機器を提示してほしいとの要望が出された。ついては、事務局で製品調査を行った結果を別添資料のとおりまとめたので、これを参考に各大学で導入の準備をすすめていただきたい。

    (3) 文献複写料金徴収猶予の電子化について
     事務局(東京大学・山下総務課長)から、配付資料(10)にもとづき、次のとおり報告があった。
     文献複写料金徴収猶予申請許可手続きの電子化については、公私立大学の要望を受けて現在国立情報学研究所がシステムを開発中である。今後のスケジュールとしては、平成13年1月中に各大学で細則等の変更を行い、2月に運用テスト、3月初旬にデータ入力開始、3月下旬に許可手続き完了という手順ですすめる予定である。

    (4) ICタグの図書館業務への活用について
     九州大学・佐田事務部長から、図書館事務の省力化をめざし、従来のバーコードとタトルテープを統合したICタグの導入を検討する懇談会を、九大・有川館長を中心に10月6日に開催したこと、また平成13年度科研費を申請したことの報告があった。
     これに関連して事務局長(東京大学・高橋事務部長)から、科研費による遡及入力の申請は、代表者を館長とした場合、専門分野が異なると採択されることがむずかしいため、今後は専門分野の教官を代表とするなどの工夫が必要であるとの補足説明があった。

    5.協議事項

    1. 総会の運営について

     事務局長(東京大学・高橋事務部長)から、来年度の総会の運営について以下の提案があり、了承された。
     @ 研究集会については、基調テーマ「大学図書館機能の新たな展開」を継続し、発表者への応募が多数あった場合の日程調整が可能なように募集時期を早める。
     A 海外派遣報告は、協議会賞の受賞状況にもよるが本年度と同じく研究集会の場で行う予定である。
     B 分科会については、5月の理事会で1つにしてはどうかという意見が出され、秋の理事会で検討することになっていた。会員館に分科会のあり方について意見をよせてもらったところ、資料(11)のような意見が出された。
     意見交換の後、分科会を従来通りにするか一つにまとめるかについて、各地区において意見を集約し、その結果をもとに再度常務理事会で協議することとなった。また、協議題の決め方についても各地区で意見を集約することになった。

    2. 第47回総会の理事会付託事項について

    (1) 専門職員問題の取り扱いについて

     事務局(東京大学・山下総務課長)から配付資料(12)にもとづき、各大学が学内での概算要求や人事ヒアリングで専門職員問題を扱う際の参考資料として、富山大学・千葉大学・東京大学で「国立大学図書館職員の待遇改善に関する要望(案)」を作成したとの説明があった。
     これに対して、附属図書館と計算機センター等との統合の説明部分が誤解を招く可能性がある、電子化の観点だけでなく保存等に係る専門性にも言及してはどうか、といった意見が出された。
     これを受けて、事務局を中心に再度文言を検討し、地区連絡館・常務理事館に諮った後、各会員館に送付することになった。

    (2) 学術雑誌・データベースに関する諸問題の検討について

     名古屋大学・伊藤館長から資料(13)にもとづき、エルゼビア社との交渉や電子ジャーナル一般について懇談会を2回開催し、その検討を受けて9月19日付け文書で「電子ジャーナル・タスクフォース」を暫定的に設置することを理事館に諮ったが、このことについて正式に協議していただきたいとの説明があった。
     これについて協議の結果、タスクフォースの設置が了承された。
     さらに、伊藤館長から図書館コンソーシアムの国際連合(ICOLC)の概要説明があり、情報収集のため国立大学図書館協議会としてこれに加盟してはどうかとの提案が出され、了承された。

    (3) その他

     @共同保存図書館の設置について
     第1分科会で協議された「共同保存図書館」の設置について、概算要求した東京大学、京都大学から報告があった。
     東京大学では、柏キャンパスに500万冊収蔵可能な「共同資料利用センター」機能を持つ「柏図書館(仮称)」の概算要求を行ったが、本年度の補正においては認められなかったとの報告があった。来年度再度要求するかどうかは未定であるとのことであった。
     京都大学では、外国雑誌バックナンバーセンターを核として要求を行ったが、本年度は認められなかったとの報告があった。委員会を設けて検討を重ね、引き続き要求する予定であるとのことであった。

     A教官当り積算校費の変更に伴う図書館予算のあり方について
     第1分科会で協議された「教官当り積算校費等の改善に伴う図書館予算のあり方」について、北海道大学、九州大学から現状の報告があった。
     北海道大学では、学生用図書費として、学内共通経費から1800万円を確保し、シラバスにのっている図書を網羅的に収集したとの報告があった。
     九州大学では、学生用参考図書費として今年は2800万円を確保したが、来年度は数千万円計上される見込みであるとの報告があった。

     Aの教官当積算校費の変更に伴う図書館予算のあり方については理事会として来年度の分科会においても協議題とし、各大学への調査を再度行うことが了承された。

    3. 「国公私立大学図書館協力委員会委員館の推薦について(申し合わせ)」の改正について

     事務局(東京大学・山下総務課長)から資料(14)にもとづき、申し合わせ中の1.C「東京・関東地区協議会の理事館」を「東京・関東地区協議会の会員館」に、また2.「2期ごとに交代する」を「任期は再任を妨げない」に変更したい旨、提案があり了承された。

    4. 「国立大学図書館協議会の慶・弔意に関する申し合わせ」の改正について

     事務局(東京大学・山下総務課長)から資料(15)にもとづき、現行の申し合わせでは今後対応しにくい部分があると思われるため、
    )弔辞・生花を供える対象のうち、会長経験者は削除し、必要がある場合はAで対応する。
    )弔電の所要経費を当該会員館が負担するという部分を削除し、協議会の負担とする。また、会長経験者を削除し、必要がある場合はBで対応する。
    と変更したい旨、提案があり了承された。

    5. 入試センターの独立行政法人化に伴う相互利用について

     事務局(東京大学・山下総務課長)から資料(16)にもとづき、大学入試センターとの相互利用については、平成11年9月13日付け文書「入試センターの相互利用について」で地区連絡館を通じて依頼したところであるが、大学入試センターが来年4月以降独立行政法人化された後も従来通りの扱いとすることの提案があり、了承された。

    6. 「日米両国における学術情報アクセスの改善のための情報担当者会議」について

     事務局(東京大学・木下情報管理課長)から資料(17)にもとづき、「日米両国における学術情報アクセスの改善のための情報担当者会議」を平成13年1月31日から2月1日に開催すること、国際交流基金日米センターに助成金を申請しており、また協議会からも経費分担を行うこと、今後の米国に対する協議会の窓口を、富山大学・笹川事務部長、東北大学・早瀬情報管理課長、群馬大学・星野情報管理課長の3名に依頼することの説明があり、了承された。

    7. 関係団体への役員派遣について

     事務局長(東京大学・山下総務課長)から資料(18)にもとづき、関係団体への役員派遣について、来年3月の任期終了後も継続していただくこと、特に日本図書館協会の理事に関しては、来年の大学図書館研究集会を一橋大学にお願いしていることもあり、引き続き一橋大学にお願いしたいこと、人事異動等があった場合は原則として後任が引き継ぐこと、これらのことについては5月の理事会でも再度諮るが、あらかじめ承認を得たいとの説明があり、了承された。

    8. 第48回総会について

     北海道大学・坂上事務部長(第48回総会当番館)から資料(19)にもとづき、日程・会場の紹介があった。また、分科会のあり方が決定してから会場設営等を行いたいとの説明があり、了承された。

    9. その他

    (1) 図書館のオープン端末の目的外使用について

     東京工業大学・大埜事務部長から資料(20)にもとづき、ある大学で、図書館のオープン端末からプロバイダーのオークションにアクセスし、架空の商品提供をして代金をだましとるという事例の報告があり、オープン端末の危険性について指摘があった。
     これに関連して意見交換を行い、落合会長から、現在省庁セキュリティ管理のマニュアルを作成中であり、それにもとづいて各大学等でマニュアルを作成するよう要請があると思われるので、オープン端末の管理についても注意を喚起してほしいとの発言があった。

    (2) 独立行政法人化への対応について

     名古屋大学・伊藤館長から追加資料にもとづき、国立大学が法人格を取得した場合の附属図書館のとるべき対応について、これまでの経緯説明と名古屋大学の事例の紹介があった。この中で、学内において附属図書館の存在をアピールする必要があるとの指摘があり、今後の対応として、国立大学図書館協議会として検討組織を設置してはどうかとの提案があった。
     また、東北大学・小田館長からも同様の説明があり、館長のメーリングリストを作成して情報交換をしてはどうかとの提案が出された。
     これについて意見交換を行い、館長の有志による懇談会を設置すること、館長のメーリングリストを作成し、活動状況等をメーリングリストで流すことが了承された。また、東北大学の済賀事務部長に事務を依頼することになった。

    (3) 次回理事会の開催

     事務局(東京大学・山下総務課長)から、次回理事会等のスケジュール等について説明があった。

       理事会等 時期:平成13年5月30日(水)、31日(木) 東京大学附属図書館
        (部課長会議は平成13年5月29日(火) 東京医科歯科大学)
    

    6.その他

     落合会長より、前回議事要録(案)について、訂正等がないかどうかの確認の発言があり、議事要録(案)は承認された。

    7.閉 会

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