シンポジウム「学術情報流通の改革を目指して 3 〜ビッグディール後の電子ジャーナル契約のあり方を探る〜」 を開催

EJシンポ3風景の写真
 国立大学図書館協会は、去る2009年12月24日(木)午後、東京大学にてシンポジウム「学術情報流通の改革を目指して 3 〜ビックディール後の電子ジャーナル契約のあり方を探る〜」を開催した。このシンポジウムは昨年度中に開催した同様の電子ジャーナルに関するシンポジウムの第3弾にあたり、年末にも関わらず、国立大学図書館の館長及び部課長約130名の参加があった。

 シンポジウムでは、古田元夫会長(東大図書館長)の開会挨拶に続いて、植田憲一教授(電通大レーザー新世代研究センター長)が講演を行い、学術誌を出版する立場での電子ジャーナルへの取組や、学術論文の提供と利用の将来像など、図書館にとって示唆にとんだ話を伺うことができた。

 続いて行われたディスカッションでは、冒頭に加藤憲二静岡大図書館長から、国立大学図書館協会内に設けられた委員会の検討状況が報告された後、植松貞夫筑波大図書館長、古田会長、加藤館長、及び植田教授を加えて、矢田俊文新潟大図書館長の司会により、参加者全体による活発な意見交換が行われた。フロアーからは、学内予算措置に苦慮しているとの報告が相次ぎ、学術情報流通の改革には、図書館の継続的な取組に加えて、情報の発信者であり受信者でもある研究者の積極的な関与を求める必要があるとの意見が出された。また、大学及び国立大学図書館協会が取りうる方策の策定にあたっては、電子ジャーナル契約の形態変更も視野に入れ、大学図書館間のより緊密な連携が不可欠であることが確認された。