シンポジウム「学術情報流通の改革を目指して 〜電子ジャーナルが読めなくなる 2〜」 を開催

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 国立大学図書館協会は、12月10日(水)午後に東京大学にてシンポジウム「学術情報流通の改革を目指して〜電子ジャーナルが読めなくなる 2〜」を開催した。このシンポジウムは5月に開催したシンポジウムの第2弾にあたり、値上がりが続き購読維持が困難に直面している電子ジャーナルについて、参加した国立大学図書館の館長及び部課長約150名が熱心な討議を行った。
 シンポジウムでは、西郷和彦会長(東大図書館長)の開会挨拶に続いて、伊藤義人名大図書館長が基調報告を行い、電子ジャーナルを出版している海外の主要出版社との5月以降の交渉経過を報告し、購読の抜本的な見直しと具体的な行動の必要性を強く訴えた。
 続いて井上修名大図書館情報管理課長から海外の大学図書館による共同購読の見直しに関する最新事例の報告、植松貞夫筑波大図書館長並びに加藤憲二静岡大図書館長から両大学の購読実績に基づく今後の電子ジャーナル購読価格上昇に関するシミュレーションの報告があり、厳しい実態が明らかにされた。
 これらの報告に基づく参加者全体による活発な意見交換の中で、伊藤館長から現時点で考えられる選択肢案が示され、各大学の多様性に配慮しながら出版社との交渉を引き続き行うほか、厳しい状況が続く中で各大学及び国立大学図書館協会が取りうる方策が提案された。この提案を受けて、各館で筑波大学や静岡大学の事例報告と同様のシミュレーションを行い、現在の危機的状況に対処するための具体的な取組を行っていくことにした。