第55回国立大学図書館協会総会の開催

開会挨拶を行う 西郷和彦 国立大学図書館協会会長(東京大学附属図書館長)、井上明久 東北大学総長、野家啓一 東北大学附属図書館長(左から)

 第55回国立大学図書館協会総会が、東北大学附属図書館を当番館として、6月26日に仙台国際センター(仙台市)で開催された。
 西郷和彦・国立大学図書館協会会長の開会の辞に続き、井上明久・東北大学総長、野家啓一・東北大学附属図書館長の挨拶が行われた後、議事に先立ち、議長として斎藤・一橋大学附属図書館長、副議長として青木・宮城教育大学附属図書館長が選出され、両氏により議事が執り行われた。

 まず第54回総会(平成19年6月)以降の本協会の活動に関する一般経過報告が行われた。続いて協議事項として、主に、(1)平成20年度事業計画(案)について、(2)理事等の選出方法及び任期の変更について、(3)北信越地区割の変更について、(4)平成20年度予算(案)について、などが協議された。

 さらに特別報告として、電子ジャーナルの持続的利用を確保するための方策を探る出発点として、去る5月1日に開催されたシンポジウム「新たな学術情報流通改革に向けて」の報告と今後の進め方について、また、平成19年11月に国立大学図書館協会から国立情報学研究所に提出した、新たな図書館システムについての要望とそれに対する回答及び今後の進め方について、の報告が行われた。

 次いで、勝野頼彦・文部科学省研究振興局情報課長から、所管事項として、(1)近年の国立大学を取り巻く動向について、(2)科学技術・学術審議会 学術分科会の動向について、(3)学術情報基盤をめぐる動向について、などの説明があった。

 午後には、A.学習・教育支援を強化するために大学図書館はなにをすべきか、B.電子ジャーナルの持続的利用を目指した学術情報流通改革について、の2テーマによるワークショップが開催された。Aでは、全く新たな発想に基づいて設置されたラーニング・コモンズなど、学習・大学生活の「場」としての大学図書館に焦点をあてた発表及び各大学の事例報告が行われ、今後大学図書館においてどのような学習・教育支援の強化策が考えられるのかについて、活発な討論が行われた。Bでは、電子ジャーナルをはじめとする持続可能な学術情報流通体制の確立をより具体的なものとするための、大学・研究者・学協会・出版社・文部科学省など関係者との連携・対応方法、及び、機関リポジトリの推進など、学術情報流通の当事者として大学図書館が取り組むべき課題及び進むべき方向性について、熱心かつ率直な意見交換が行われた。